宅建士 民法過去問解説講義

こんばんは。猛暑が続いています。日中に宅建士の講義で出かけることが多いのですが、ホントに参ってしまいます。

宅建士の本試験まであと2ヶ月程度となってきました。この時期は直前期なので本来は答練や模試を受けて力試しをし、論点で抜けているところを補足カバーするところですが、兼業受験生の方の様子をうかがっていると、なかなか時間を作ることが難しいのもあって、民法は後回しになっているように思えます。

なかでも抵当権がよく分からないというご意見が多いようです。こちらとしても出来るだけ噛み砕いて説明しているつもりですが、それでも理解が及ばないようなんですね。

確かに抵当権は論点の範囲が広いので、論点全部を読み返したり過去問を解いたりするのは時間的に大変ですが、特に何をきかれているのか理解できないということはありません。ゆっくりと説明したら理解できると考えていたのですが、そうもいかない・・・。

宅建士の試験では民法が10問しか出題されないので、どうしてもテキストが手薄になってしまいます。これも理解が及ばない原因なんでしょうね。理解が及ばなくても本試験で点数が取れれば問題ないのですが、最近は薄く広く出題される傾向があるので、やっていないと手も足も出ないってことになります。

どこの部分で詰まっているのかを一人ずつ聞き出してみました。確認の方法としては過去問を1行ずつ読み進め、理解度をチェックしていくというやり方になります。

抵当権は被担保債権を担保するために、不動産などに設定されている担保物権です。この「被担保債権」という単語と「設定」及び「物権」の意味が曖昧というケースが目立ちます。

銀行から住宅ローンで1000万円借りたとします。この1000万円が被担保債権であり、銀行はこれが返済されなかったときの保険として不動産に抵当権をつけるということになります。ここにある抵当権の設定登記は、「対抗要件」であるということは結構重要な論点ですよね。

抵当権と根抵当権の違いも過去問では2回ほど出題されていますが、根抵当権は説明がやっかいです。試験委員は本気で問いたいのか、或いは受験生に満点を取らせない枠として出題しているのか、そこが今ひとつ分かりませんが、問われている論点が基本的なところにあるような気がするので、前者のように思えます。

本気で問いたいとすれば、今年は当たり年なので、確実に押さえておきたいなと考えて説明するのですが、さわり部分しか説明する時間がないのでなんとも中途半端感が拭えません。

ということで自ずと出題されるであろう範囲に絞ることになるわけです。例えば元本の確定については設定者側からの請求が過去問で問われておりますので、次回は根抵当権者からの請求が問われるのではないかというふうに予想するわけです。

講義を受講されている方にはこういうテキストに載っていないが、過去問に近い論点はできるだけ押さえて貰うように時間を割いております。これだと興味もなかなか湧きませんが仕方がないと割り切るしかありませんよね。

宅建士本試験まで3ヶ月

こんにちは。またまた一月ぶりくらいの更新となってしまいました。

5月に結構暑い日がありましたが、梅雨入り以降肌寒い日々が続いています。15年くらい前にも寒い7月がありましたが、今年も同じような感じがします。それにしても寒いですね。

さて、宅建士の講師です。すでに宅建士の申し込みは始まっており、本試験まで3ヶ月という追い込みの時期に突入しております。受講生の方もピリピリしてきているんだと思います。

ここからは新しく手を拡げるというよりも、基本の繰り返し繰り返しですね。つまり過去問のやり込みです。過去問を繰り返していく中で判断を誤ったポイント、特に判断した箇所を丁寧に押さえていくと良いかと思います。

判断を誤るというのは、同じような判断を求められる別論点があり、それらが頭の中で整理できていないということが原因ではないか。それをノートに書き記し、同じようなところをまとめれば頭の整理にもなるしオススメです。

具体的には設問の分野と判断のキーワードをスペースを空けて箇条書きにします。別の論点で既に記載しているキーワードと近しいものがあれば、最初に記載したところの横に書き加えます。

単に過去問を繰り返すよりも時間は少しかかりますが、こうすることでホントに頭の整理になるんです。こういったお話を織り交ぜながら宅建士の講義をやっております。

宅建士の出題予想(抵当権)

おはようございます。約1ヶ月ぶりの更新です。

昨日は東京で夏日になったようで、すっかり夏突入の感じです。日中の時間が長くなるのはとても嬉しいのですが、日差しがきつくなるのは厳しいですね。外出するときにギラッとしたアスファルトの照り返しを見るとそれだけで気分が萎えてしまいます。

さて、前回宅建の講師を始めたと書きました。関東近辺を出張しながら権利関係(主に民法部分)の講義をしております。

宅建の民法は幅広い分野から満遍なく出題されており、出題数もある程度はあるのですが、いかんせん広すぎる出題範囲に対して出題数が少ないんですね。そういうことが理由の一つだと思われるのですが、前回も書きましたように宅建業法などに比べてテキストが薄いように感じます。

過去問を解いてみると、民法をしっかりと学習してきたものにとっては、正誤判断できるできないは別問題として、まったく未知の問題というものはなさそうです。ですが、テキストを読み込んだとして解けるのかというと、やはりテキストには必要最低限の記載しかないため難しいかも知れません。

テキストには過去問で出題されたところは記載されていますが、それ以上に膨らませては書かれていない箇所が多いようなんですね。

例えば、抵当権の物上代位。火災保険請求権や賃料債権へ物上代位できるかというのは過去問で何度も問われているため記述はあります。ですが、それ以外の事例は書かれていなかったりします。

かつて物上代位だけで出題された設問がありましたが、テキストの物上代位の箇所の知識だけでは肢を全部切ることはできません。抵当権者対一般債権者の論点、賃料債権物上代位と抵当権実行の併存的な論点は解けないと思います。

根抵当権の元本確定。こちらも確定事由はいくつかありますが、テキストに記載されているのは、設定者からの確定請求のみ。これだとそれ以外の事由は自分で調べるかしないとまったく知識が入りません。出題されても解答不能です。

このようなよく出題される論点であれば、テキストではもう少し膨らませてもいいのではないかと思うわけで、この部分を講義では説明するようにしています。

令和元年度の宅建士の試験においても抵当権は出題されると思います。そして抵当権の中では、法定地上権が昨年(平成30年度)出題されているので出題確率は低く、物上代位と抵当権の処分、根抵当権が当たり年のように思います。

だいたい上記に絞って講義するようにしていますが、出題間隔的には抵当権の侵害、代価弁済と消滅請求、引き渡し猶予が危ないようにも思えます。時間があればこのあたりも講義に取り入れたいなって思います。

宅建講師のお仕事

おはようございます。1ヶ月以上ブログを更新してないうちにすっかり暖かくなってきました。体が動かしやすくて良いですよね。

さて、この1ヶ月間はいろいろなことがありました。中でも宅建士の講師を引き受けることになったのが大きいかも知れません。ただ、宅建士の講師といっても全ての範囲をカバーする予備校のような講師ではなく、民法の分野に特化した講師です。

宅建業法はまだしもその他法令については教える自信がありません。というか、この分野は単に覚えるだけってところがあるように思うんです。違っていたらごめんなさい。

話を戻しますが、宅建士を受験される方にとって民法は結構敷居が高い分野のようです。聞くところによると殆どの受験生が一番苦手とする科目なんですね。我々行政書士のように日常的に民法に関わりのある仕事をしているものにとっては、一番とっつきやすいというか点数が稼げる分野なんですけど・・・。ということで民法に特化した講師っていうのはぴったりとはまっているように思います。

ご存じのように、宅建士の試験では民法が10問出題されます。区分所有法とか不動産登記など関連分野を含めると14問です。宅建士の試験に合格するにはこのうち半分以上確保しておきたいところといわれています。

ところで来年度は民法改正も予定されておりますし、なんとしてでも今年受かっておきたいと考える受験生が多いと思われます。合格点も上がるかも知れません。

こんな状況ではありますが、受験生にとっては民法で最後の数点を取るのが難しいんです。というのも、民法はなんといっても条文数が多く、どうしても絞り込みで勉強するしかないからなんですね。

宅建のテキストをご覧になったことがある方は分かると思いますが、テキストを眺めても結構ボリュームが薄いんです。過去問で出題された周辺知識を重点的にテキストに載せているようですが、いかんせん内容が絞り込まれていて薄い。これが点数を取りにくくしている要因だと思われます。つまり、学習する段階で取りこぼしが多いので、そこを突かれると一気に崩壊するというか、どうしようもなくなるんです。

テキストには載っていないが過去問を解く上で理解しておいた方が覚えやすいところがいくつかあり、宅建の講師にはそういうところをバランス良く説明することが求められているんですね。なによりも興味を持って貰うことが重要な気がしています。

今回僕が受託しているのは派遣型での講義なので、結構遠方にも出張することになります。当事務所があるのは新宿区なので、中央線の特急ならアクセスしやすいのですが、北関東や東北方面は割と時間がかかるんです。

上野か大宮で新幹線に乗り換えるのですが、どちらにするのか迷うところがあるんですね。スムーズに行くと大宮乗り換えが早いんですが、遅延常習犯の埼京線や湘南新宿線をどうしても選択したくないんです。単に訪問先が埼玉県なら問題ないんですが、新幹線乗り換えを考慮すると時間的な余裕をみておく必要があるんですね。

宅建士 実務者講習2

こんにちは。暑い日が続いています。本日は朝から宅建士の実務者講習に参加してきました。休憩が適宜あるとはいえ、夕方6時までだったのでちょっとしんどいですね。

実務者講習は2年間の実務者経験をすっ飛ばして、宅建士登録するための法定研修になります。段取りとしては事前に送られてきた3時間のDVDを観ておいてくださいということになっています。

一応法定研修ということで観ないわけにもいかず、というよりもどんな内容か判断できないので、まずは倍速で観てみました。どうもDVDはテキストの概要を網羅するのがメインであり、特に重要な感じはしませんでした。スクーリングで詳しくやるのでそちらで参照してくださいって感じです。一応観ておけとはいうもののまったく観なくても良いのかもしれませんね。

さて、実際にスクーリングに参加しての感想ですが、まず結構出席率が低い!この時期なのでそれほど研修に参加する人が多いわけでもないですが、予定人数の半分くらいしか出席されていませんでした。法定講習なので欠席してしまうともう一度お金を払って再受講するしかないのですが、それほど忙しいのかなって思ってしまいます。また居眠りにはとても厳しいです。

授業内容は割と実務者よりなので面白かったです。どういったところでどういう書面を入手するのかとか、どういうポイントをチェックしていくのかということです。個人的には下水道とかガス、電気などの図面の見方が面白かったですね。

また2項道路の話も具体的にされており、とても興味を持ちました。来週はテキストの続きと効果測定があるのですが、テキストの最後の方に瑕疵の事例とかが載っているらしく、来週までにそれを読み込んでみようかと思っています。

宅建士 実務者講習

こんにちは。日が長くなってきて過ごしやすい季節ですね。体が楽でいいです。

さて、宅建士に合格してからおよそ半年経過しました。そろそろ宅建士の実務者講習に時間を割くことができそうになってきたので、いろいろな予備校を調べてLECに申し込んでみました。

当事務所から日建学院が最寄りなんですが、この時期はそもそも実務者講習の講座が各予備校でもそんなにないので、消去法的にLECになっただけなんですが・・・。でもLECは新宿駅から近いので通いやすいのがいいです。新宿エルタワーには大原専門学校とかも入っているし、本当に立地条件はいいですよね。

それはさておき、昨日LECからDVDとテキストが送られてきました。どうも予備校で講習を受ける前にDVDを観ておけってことのようですね。この手のものってなんか気合いを入れないと行動に移せないんですよ。しかもそもそも再生機がないのでPS4で視聴するしかないんです。web視聴できるようにして欲しいところです。

ところでDVDと一緒に送られてきたテキストをパラパラとめくってみると、見慣れないというかすっかり頭の記憶領域から飛んでしまっている単語が目につきます。試験が終わって半年以上もインターバルがあるとそんなものかもしれませんが、実務者講習大丈夫かなっていう一抹の不安が頭を過ります。ホントは試験終わってすぐに講習を受けるといいんでしょうね。

平成29年度 宅建士合格しました

こんにちは。昨日平成29年度の宅建士合格発表があり、無事に合格しておりました。予想通りとはいえ、合格証が送られてくると嬉しいものがありますね。

今年の合格点は大方の予備校が出す予想よりも1点高い35点でした。35点で合格率15%を超えていたというのが理由だと思われます。

さて、本試験の分析については各予備校がいろいろと記事を出しているので、そちらを参照していただくとして、ここでは、合格するとどのようなものが送られてくるか、今後どうするのかについて書いてみます。

宅建士試験に合格すると

合格者には一般財団法人 不動産適正取引推進機構からA4大の簡易書留が送られてきます。封筒には「宅地建物取引士資格試験合格証書在中(二折禁止)」と書かれており、郵便配達の方には内容がバレバレですね。

内容物はというと、合格証書のほかに資格登録などの手続きに関する資料、各種証明書の申請用紙という構成となっています。行政書士の仕事をしているので手続き書類については業務上よく取り扱うものばかりという感じですが、一般の方からしたら何かと書類が多くて煩わしく感じるかも知れませんね。

ところで、受験生の方はよくご存じだと思いますが、宅建士の資格は、合格→登録→取引士証交付の3段階があります。登録というのは簡単にいうと都庁(東京都受験の場合)の名簿に載ったということです。登録してしまえば一生有効です。少しばかり費用がかかってしまいますが後々のことを考えると、できれば登録までは済ませておきたいと考えています。

さらに費用面の他にもう一つハードルがあります。2年間の実務経験がない場合は、登録実務講習というのを受ける必要があるんですね。しかも単なる講習ではなくて最後に試験があったりします。ただ落とすための試験というよりは確認の試験という感じでほとんどの方が合格するようです。

とはいうものの、まったくサボっていると不合格になるらしく、できれば知識がまだ残っている段階で受講したいところです。しかしながら2日間のlive講習だけならまだしも、その前にいくつかのDVDを視聴したりする必要があり、なかなか時間が取れないのでどうしようかと悩んでいるところです。

そういえば、競売不動産主任者試験まで残り10日です・・・。

独学で宅建士 本試験42点取れたようです

こんばんは。本日は雨の降りしきる中、宅建士の本試験でした。事務所の近所にある早稲田大学の西早稲田キャンパスで受験したのですが、さすがに受験人数も多かったです。因みに会場入口は中央図書館に面したところでした。

また試験後にわざわざ予備校の解答速報会に行く気も起こらず、参加しませんでした。解答速報もすぐには出てこないようなので、日建学院とLECの採点サイトに自己解答を入力しておいたのですが、先ほど日建学院から解答速報が送られてきました。42点でした。

権利関係14/14、宅建業法17/20、その他11/16という内訳です。それぞれ目標値を上回ることが出来ましたし、権利関係が全問取れたのは大きかったと思います。

LECやTACでも確認してみましたが42点で同じです。合格ラインは各社とも34点前後という予想なので、マークミスでもない限り問題なく行けたと思います。

以前ブログでも書いたように、権利関係以外の分野は殆ど初めてなのですが、宅建業法については行政書士の実務で少しだけ宅建士と宅建業の登録をしたことがあるのと、若干貸金業務取扱主任のところに似ていたということも学習にプラスしたのかもしれません。

それ以外はホントにテキストをサラッと読んだ(ブログに書いたように読む気もしなかったというのもありますが・・・)のと過去問を5回ほど繰り返しただけでした。

また過去問をしながらまとめたノートが結構インプットに役立ったように思います。今後受験される方に公開できる場があると良いなとか考えてます。

未登記の建物について

こんにちは。宅建士の試験目前ですね。早く終わって欲しい気持ちでいっぱいです。後3日です。

さて、先日、未登記の不動産(建物)を底地の所有者へ売却したいというお話しがありまして、お客様の所へお伺いしてきました。ここで宅建士を受験される方ならいくつか疑問が湧くと思います。

まず、固定資産税はどうなるのか?です。不動産が所在している市町村に対して普通徴収されるんですよね。これは良いとして課税標準はどうなっているのか?登記していなくても課税台帳って存在するのかという疑問が湧いてきます。

結論から言うと未登記(法務局管轄)でも、課税台帳(東京都)は存在しています。分譲マンションなどを購入されている方はご存じだと思いますが、毎年税金の計算表が送られてきますよね。あの表に「未登記」と書かれていますが、キチンと課税標準は記載されているんですね。始めて見ました。

実は訪問する前に、未登記と言っても表題部の登記はあるだろうと勝手に考えていたんですね。というのも、建物を建築すると1ヶ月以内に登記申請しなければならないとされているからです。それがなかったわけですね。古くからの建物ということもありますが、現実は教科書通りにはいきません。因みに表題部の登録免許税は無料です。土地家屋調査士の先生に依頼することが多いかも知れませんが、その場合は別途費用が発生します。それにしてもここでも縦割り行政が垣間見えます。

さらに問題なのは登記がないことによる対抗問題の不備です。宅建士で過去に出題されたように、判例では表題部登記でもOKとしているのですが、それがないんですね。すぐに登記しないと第3者に対抗できなくなってしまいます。こういうケースは結構あるのかもしれませんね。試験問題からみですが、この登記名義人は借地権者と同名義でないとダメだと判例は言っていますのでご注意ください。

独学で宅建士 過去問4周目終了

こんにちは。宅建士の過去問4周目が終了したところです。来週の日曜日が宅建士の本試験なので、あと1週間ですね。

宅建業法はほぼ正解を導き出せるようになりましたが、法令上の制限は今ひとつです。この時期なんですが、まだまだ新たな発見がありますね。

あと1週間をどのように過ごすのかですが、来週は行政書士の仕事もありますのでフルには難しそうです。

もう一度過去問をやるとしてもチェックしたところを読み込むだけになりそうです。過去問以外の出題も想定しなければなりませんので、ノートを読み返すことと基本書をサラッと読むくらいでしょうか。

ところで過去の実施状況が宅建士の実施機関から発表されています。受験者数は平成22年度を底にほぼ毎年増加してきています。オリンピックに向けて不動産業界が活況になっていることも原因の一つかも知れませんね。

一方、合格者の数は3万人前後でほぼ一定しているように見えます。よほど受験者数が多くならない限り、合格者の数は一定数に保とうとしているようにも見えます。

いずれにしても早く終わって欲しいですね。