令和2年度 宅建士試験 民法雑感2

おはようございます。今日から暫くは少し暖かいみたい・・・。ちょっと一息。

さて、宅建士民法の続きです。よく考えると今年度は抵当権とかの担保物権全く出題されてないんですよね。抵当権はAランク出題なのにめっちゃ驚きです。


第6問

改正論点。宅建が好きな問題に、「錯誤は取消せる」って引っ掛け問題がよく出題されてたけど、それはさすがに真正面から問えなくなってしまった模様。ということで「錯誤」に該当するのはなにかって問題。

設問1。重過失で取消しできず。
設問2。錯誤になってない
設問3。動機の錯誤
設問4。重過失

これはさすがに得点できたと思う。


第7問

また保証か・・。改正論点をやっぱり出したかったんやろうなって思うわ。

設問2。前半知らなくても、後半で間違ってるって判断できたと思う。これが正解。

設問1。売主の保証のお話。これは知らんかも。

設問3, 4。求償権の問題。ここまで押さえていればできたやろうけど、やっぱりここは設問2ですんなり解答したい。


第8問

相続の問題。

設問1。相続回復請求権までは押さえてないかも。ということで設問3。これは判断できたと思われる。

設問2。代襲者の再代襲があるかどうかを問われてる。兄弟姉妹の代襲は1回(甥、姪まで)で打ち止めやけど、直系卑属はどこまでもいく。答えは出せた。

設問4。設問2と迷っても、自分の子孫と兄弟の子孫どっちにいくんかなってことで判断できたと思う。


第9問

売買と贈与の違いについての問題。単に比較ってよりも、それぞれの分野で別々の細かい点を問われてる。

設問3。担保責任は売買と贈与は違いがあるが、比較表で細かく学習してたらいけたかも。

設問2。贈与の引渡しの問題。引渡ししたら解除不可能。引渡しには現物の引渡しか、不動産やったら登記も該当する。両方ともやってる必要は無い。

設問1。売買の手付けの問題。相手方が履行に着手(準備したら)もはやダメ。

設問4。解除権が発生する条件の比較。売買と贈与の違いを比較表などでやってればいけるかな?


第10問

取得時効。短い設問4から検討。消滅時効ってのは債権やね。所有権は取られることあっても自然になくなることはない。

設問1。取得時効の継続の問題。

設問2。最初に善意やったら途中で悪意になっても大丈夫。ってことでこれが正解

設問3。それが第3者にうつっても継続される。

この第10問の取得時効は、過去問でも何度か出題されており、解けたと思う。


第13問

区分所有法。いまやってるマンション管理士にも出題される。共有」と「共用部分」、「敷地」の違いが結構問われてる気がする。

まず短い設問2から検討してみる。共用部分(廊下とか)は床面積の割合。

設問3。保存は民法の共有にもあるように基本1人でできる。マンションの廊下手すりが崩れたから慌てて修理するのにいちいち集会決議はいらんやろうってこと。

設問4。一部共有部分は外見上判断する。規約で区分所有者全員の共有にできるってのはマンション管理士の試験でもよく出題されてる。

設問1。共用部部の変更やけど、括弧書きがある。括弧書きは分かりにくいけど、要するに大改造するってこと。この場合は特別決議(会社法とは議決権とか違うんよね・・・。)定足数は減らせるが、過半数となってる。ここも細かいところまで聞いてきててイヤやな。。


第14問

不動産登記法。シンプルな4番から検討。これは改正点やね。登記できるから×

設問2。仮登記の本登記の問題。登記上の利害関係を有する4パターンを覚えていたらできると思うけど、司法書士試験やないからそこまでは難しいかな。抹消。変更・更正。抹消回復。仮登記の本登記。

設問3。登記識別情報の通知は、登記名義人になる申請人の場合やから、Aは無関係。ってことで設問1が正解。

設問1。今回は敢えて検討してみたが、択一で敷地権って出てきたらややこしいから普通は避けて答えが出ないか検討する。表題部所有者から所有権を取得した者ってことで、大手デベロッパーからマンションの一室を購入したケース。74条2項保存。設問のままなんやけど、これはやっぱり難しいよな。

全般的に考えて、この第14問は得点できんかも知れん。

 

令和2年度 宅建士試験 民法雑感

おはようございます。一昨日から寒かったけど今日も寒い。

昨日は令和2年度の宅建士の試験が行われました。今年は民法の講師を武漢ウィルスの影響でできなかったし、そもそも冷やかし受験はやめてくれっていう要請もあったし、どうなったんかなって気になってましたが、幾人かは受験されたと聞いてます。

今年の民法は改正論点がどのくらい出ているのかってのがものすごく気になってて、早速試験問題が手に入ったのでやってみた。


第1問

囲繞地通行権の問題。平成25年に出題されてるから7年ぶり。まぁ平易な感じやけど、一番短い設問から解いてみた。設問2と4、これは速攻で×判断。設問2は知らない受験生がいたかも知れんが、「認められることはない」っていう断定口調は怪しいと判断できればOK。いろいろ書いてるけど、囲繞地通行権の問題は、公道へ通じさせてやる必要があるっていうのが原則。

設問1を読んでこれは過去問通りってことで「○」。設問3は解かずともOKやけど、所有権とともに移転するって文言もあるし、これは司法書士試験のレベルかなって思う。

まぁ過去問やってれば正解は導き出せたはず。


第2問

保障の問題、事業資金の保証についての改正論点やね。設問がややこしいが、2種類の債務に対する保証の性格を聞いてる。

まず短い設問1を読んでみる。保証は書面ってことで、どんな債務の保証やろうと違いなし。速攻で切り捨てれる。

設問2。極度額ってのがでてくるけど、極度額は根抵当とか、根保証のお話。通常の保証には関係ないからここも瞬殺。

設問3。宅建でも比較的よく出題されてる多数当事者の論点。でもこの論点は絶対効と相対効の違いが分かりますかってのを聞いてくることがメインやから、今回はやっぱり事業資金の保証との違いを問いたかったんやろうなって思う。多数当事者の論点では主債務によって違いない。

設問4。消去法的に解答が導き出せたが、この設問でホントの意味で改正論点を問われてる。改正後の初出題ってことで割と解きやすかったのかも。


第3問

契約解除に関する判決文問題。これはリゾートホテルと遊戯施設(やったかな?)の事例で、知ってる受験生の方も多いかも知れませんね。

設問2。付随的な債務ってのは上記遊戯施設なんで、リゾートホテルの契約しないことが遊戯施設の不履行に繋がるような設問になっていて、判決文に照らしてもおかしいと分かる。これで解答は導き出せたけど、ついでに他の設問も検討してみる。

設問1。判決文の通り。

設問3, 4。その通り。最初この肢を読んだとき、「付随的な債務ってどこにもでてけぇへんやん・・・」って思ってしまった。よく問題を見ると、冒頭に「民法の規定及び判決文によれば、・・・」って書かれてるのに気付いた。


第4問

宅建らしい賃貸借契約の問題。どの肢も設問の長さがだいたい一緒やけど、一番短い設問3に目が行く。

設問3。同時履行を聞いてる。過去問にも出てるし、敷金と建物明渡は明渡が先履行やって知ってれば瞬殺。昨年講義してたときもこの同時履行についてはよく説明してました。

設問1, 2。原状回復義務の話。通常使用で壁紙が日焼けしたとかについては回復の義務なし。タバコを吸いまくってめっちゃ黄色くなってしまったら別やけど。これは特別の使い方と判断される。因みにテレビの後ろが黒くなるスス汚れも回復義務なし。敷金は返還されます。

設問4。これもよく出てくる設問。明渡が先履行という問い方とこの設問の問い方の二面あり。


第5問

委任契約の報酬についての問題。

設問2。委任は善管注意義務。善管注意義務になるものよりも、善管注意義務まで必要ないものを覚えておくと良い。

設問3。途中で終わったとしてもそこまでは貰える

設問4。弁護士が死んだといって、その子どもが弁護士の代わりはできない。というよりも死亡が委任の終了条件になってる。

設問1が答え。

後半は追ってアップします。

もうすぐ宅建士の本試験!

こんばんは。今日は少し暖かかった。暫く涼しい日が続いてたから暑いくらいに感じたけど、気温は26度くらいやった。

先週日曜日に司法書士試験を受験してからもう1週間経過してる。受験業界では来年度に向けて分析会や、講座の説明会が開かれてるが、まだこっちは採点も終わってないし・・・。ホンマに月日が経つのは早い。この調子で今年も暮れまで突き進むんやろうか・・・。

今年の試験問題についてはいろいろなところで解説されてるようで、敢えて解説するほどのことはないけど、昨年よりは簡単になったような気がする。特に午後の不動産登記は登記記録問題も無く、時間的には簡単になったような気がする。勿論だからといって合格しやすくなるわけやないんやけどね。

今年は新年早々司法書士の研修がめいいっぱい詰まってたこともあって、昨年末頃から受験勉強が疎かになってた。研修が終わった後は宅建士の講師もある予定やったんで、勉強を再開せなアカンなって思ってた矢先に武漢ウィルス騒動で、講師業も中断。気付けば今年の宅建本試験もすぐそこまで迫ってる。

今年も講師として民法をやりたかったなぁって思いながらちょっと気にしてます。不要不急の受験は控えるようにってお達しがあったから厳しい戦いとなるかも知れんけど、受験生の皆さんには、改正民法はそれほど気にせずに頑張って欲しいですね。

令和2年度 宅建士の試験

こんにちは。令和2年度の宅建試験の申し込みが始まっています。

今年は武漢ウイルス感染症の影響で試験会場を増やさざるを得ないが、なかなか確保が難しいようです。ということで重要なお知らせが出ています。

受験の申込みを締め切った時点(7月末)で受験申込者全員分の試験会場を確保ができない都道府県において、10月18日の試験を受けていただけない方を対象として、12月27日(予定)に追加試験を実施するとのことです。

できるだけ受験者数を増やしたくないから、不要不急の受験はやめてくれとまで書かれています。これって、「記念受験」をやめてねってことなんやろうけど、そういった人が受験しなかったとして実際のところどの程度人数が減るんやろう。

また当日は体温検査があるみたいやし、熱があったりセキ込んでたりしてると受験を拒否されるってこともあるみたい。なんか気の毒っていうか・・・。これが武漢ウィルスとの共存って奴なのか知らんけど、せめて別室確保してくれよって思う。

上に書いたように、受験可能人員を上回った場合には、10月18日(日)ではなく、12月27日(日)に回される。ここ結構重要な気がするんですよ。例年受験番号は会場ごとに出願順に振られるので、申し込みが遅くなると希望する受験会場での受験が出来なかったりする。今年も早い者勝ちで枠が埋まっていき、枠がなくなったら12月受験になるってことやね。

ところで2回受験する裏技とかないんやろうか。普通に申し込んでおき、8月ギリギリにまた受験申し込む。もし運良く8月申し込みが12月受験になれば、ラッキー・・・?どうなるかわからんけど、2回受けれるんやったら受けたいよね?

令和元年度 宅建士試験 民法雑感2

おはようございます。昨日に引き続いて令和元年度の宅建士試験の民法について雑感です。


第5問

無権代理は出題予想しておりましたが、判決文問題で出題されるとまでは考えてませんでした。ただ判決文問題ではあるが、判決文を読まなくても解けるような問題でした。

設問4は本人相続型です。過去問でも出題されていますし、講義を受講された方には無権代理と相続についての4パターンを詳しく説明しておりますので、比較的とっつきやすかったかもしれません。

設問1は追認拒絶した後、もう一度追認できるかという問題ですが、ここは知らなくても判決文を読み返せば判断できたかと思います。

設問3は遡って有効となりますが、こういう効果が発生する時期などは少しおろそかになる方が多いようなので、ここ間違われた方は要注意です。

設問2は、無権代理人相続パターンです。前半は本人拒絶で代理行為が無効確定してますが、後半は責任を問われますよね。

今回は判決文問題なので判決文をよく読めば正解を導け出せたと思います。ですが、設問に引きづられて、例えば設問3の後半の但し書きで迷われた受講生がいらっしゃったかも知れません。もし知識として欠けていれば押さえる必要ありますが、問題を解く、正解を導くという意味では判決文をよく読むのが重要だった気がします。


第6問

遺産分割の問題です。「預貯金債権」というキーワードが目についたので設問3から検討しました。少し前に預貯金債権も分割の対象になりましたので、押さえていた受験生は多かったのではと思います。

設問1は、遺言で禁止することができるので、ここまで読んで「×」と判断をしましたが、まだ正解肢にたどり着けない。

設問2は遺産分割協議の合意解除の問題です。合意解除はできるが法定解除はできないという有名どころなので容易に判断できたかと思います。


第7問

準占有者に対する弁済です。過去問でもそれほど出題されておらず、ここはノーマークの受験生が多かったかも知れません。

設問2と3について、受領権限がない者に弁済するとき、弁済者が善意無過失だったら有効になります。

設問4は同時履行の抗弁権の話ですが、この分野を切り出して比較検討していた受験生は判断できたと思います。

設問1は最終的に弁済されているということに気づけばなんとか判断できたかなとは思いますが、判断できなくても仕方がないかも知れません。


第8問

請負契約です。建物の場合は「解除できない」というのが何度も問われていますね。

設問4から検討しました。これは請負契約の基本なので判断できたと思います。次に短い設問は設問2。年数が出ている問題は出来れば避けたいので、設問3を検討しました。注文者のせいということなので正誤判断はできます。

設問1。解除は出来ないという知識は知っていたとしても、立替費用相当額の損賠は知らなかった受験生は多かったかも知れません。これを知らないと設問2に戦いを挑むしかなくなるのですね。

民法を勉強したが、点数を取れないという受験生はたぶん但し書きとか例外、平行してできることなどを押さえきれていないような気がします。


第9問

時効中断です。請求棄却とか取り下げでは中断しない。この問題は簡単でした。もし分からなかった受験生の方がいらっしゃったとすれば、「棄却」とか「却下」というのが具体的になんなのかを試験中に考え始め、深みに落ち込んだんだと思います。


第10問

抵当権の処分です。抵当権からは抵当権と根抵当権の比較、物上代位、抵当権の処分を予想しました。このうち順位の譲渡の計算問題が出題された形です。講義では何度か抵当権の処分について説明させていただきましたが、きちんと押さえていた受験生はこの問題は取れたと思います。

民法10問のうち大体4問くらいは取れて、肢を一つずつ検討して正解に導けくことができたのが2,3問あるという感じでしょうか。

令和元年度 宅建士試験 民法雑感

おはようございます。今日は雨ですね。令和元年度の宅建士の問題が手に入ったので民法部分を解いてみました。


第1問

物権変動が最初の問題ですが、問題冒頭の2行を読んだとしても物権変動の問題とは推測できません。ざっと見て、短そうな肢から検討していくことになります。設問1か設問3ですが、僕は設問3から検討しました。

設問3は前主後主の問題であり、「○」。どうも第1問は「物権変動と対抗要件」に関する問題のようです。

次に設問1を検討しました。不法占有ということでこれが正解肢です。受講生の方にお渡ししていた「177条の第三者」の表を繰り返し確認されていた方には平易だったと思います。

検討はしませんでしたが、設問2については「177条の第三者」、設問4は「取得時効と登記」ですね。「取得時効と登記」は難易度が高いので、できれば検討は避けたいところです。

設問4は文章も長いので、検討してしまった方は他で判断できなかったからだと思われますが、「177条の第三者」をきちっと押さえることが優先度が高いと思います。


第2問

この問題は冒頭を読んだだけでは物権変動の問題かなと思いましたが、意思表示の問題でした。さっと全文を眺めるとどうも「錯誤」についての問題です。え?マジですかって感じ。なんでこの期に及んで「錯誤」を出題する!受講生の方には「錯誤」は出ない。出るとしても「錯誤取消しの引っかけくらいかな」と思うと散々言ってきたので、申し訳ないです。

僕は一番短い設問4から検討しました。「重大な過失があれば無効主張できません」ということなので、一発で正解判断できました。受講生の方もこれくらいは判断できたのではないでしょうか。

検討はしませんでしたが、設問1と2は「177条の第三者」の問題で、これは受講生にお配りした表に載せていたので判断はできたと思います。因みに設問2は悪意の第三者です。

設問3は「錯誤」でどこまで主張できるかの問題で、ちょっと難しかったかも知れませんが、ここを検討してしまった方は「錯誤」の基本ができていなかったのではないでしょうか。


第3問

瑕疵担保の問題ですね。売買の担保責任と一緒に「減額請求」、「解除」、「損害賠償」のキーワードを押さえておく必要があります。

設問3から検討しました。損賠と解除の並列が可能かどうかを問われています。すぐに「×」と判断できましたが、もしかしたら迷われた受講生がいらっしゃったかも知れません。

設問4は、媒介者である宅建業者が登場します。これを読んで「イヤやなぁ」っていう気持ちが芽生えます。民法だけで設問を検討したいのに、なんか業者が搦むと例外があったよなっていうのが脳裏を掠めるからです。ということで飛ばしました。

設問2は、「目的を達成できるか否かにかかわらず」まで読んだ時点で判断できました。ここで判断できなかった方はもう一度テキストを読み返すようにしてください。

設問1。ほぼ全肢検討になってきていますが仕方がないです。責任追及の期間は知ってから1年ですよね。

一応予想範囲ではありましたが少し論点をずらされており、ズバリ予想が当たったとは言えないかも知れません。受講生の方もなんとか答えは出せたんじゃないでしょうか。


第4問

不法行為は出題予想しておりましたが、ちょっと毛色が違っていました。設問3から検討しました。「教唆」なんてキーワードがでていて刑法の問題かと思いました。まぁ「×」やろなと思いましたが、さらっと流しました。未知の領域なので判断するのはとても危険です。

設問4。「名誉毀損」とは・・・。何これ、刑法ですかって感じです。「○」かなって思いましたが、さらっと流しました。ここも未知の領域です。

設問2は、債務不履行と不法行為の比較でよく問われる論点で、不法行為の場合は過失相殺は任意的で免除不可というのがあります。それのことをきいているのかなって思ったのですが、どうも違う。設問1も設問2も当事者が違うっぽいが、このあたりは未知の領域なので判断しようがない。「任意的」ということなので、どちらも「×」っぽいが・・・。

ということで消極的に設問4を選びましたが、この問題は解けなくても仕方ないかも知れません。

後半は追って記載します。

令和元年度 宅建士試験終了

こんばんは。先ほどから雨が降り始め、明日はもっと激しいのが降る予報になっています。明日は今上陛下のパレードもあるので、晴れて欲しいところではありますが、警備のことを考えると雨の方が良いのかも知れません。雨が降るとオープンカーじゃないですよね?

さて、昨日令和元年度の宅建士の試験が行われました。この春先からいろいろなところで宅建の民法講師をしてきましたので、受講生の方たちの合否が気になるところです。

各種予備校ではすでに解答速報が出されており、概ね36点前後が合格点ではないかとの予想となっています。私は受験していないので試験問題がまだ手元にないのですが、結構簡単だったのかも知れません。入手でき次第民法は解いてみようと思います。

講師をしていて皆さん民法が苦手という方が多かったのですが、半分くらいは取って欲しいところです。半分とれていない受講生の方がいるとすれば、こちらの教え方に問題があったのか、過去問を回す時間がなかったのか・・・。

まずは自分で予想した範囲が出ていたのか、予想した範囲が出ていたとして、出題問題の深度が想定レベルなのか、もっと深いところまで聞いているのか。こういったことをチェックしないと来年に向けて良い授業が出来ないんですね。

来月に入るとマンション管理士の試験も近づいてくるし、家庭裁判所の仕事も本格的になるしでなかなか分析に時間を割けないかも知れません。

それにしても司法書士試験合格を知ってから2週間経過しました。まだ半分の喜びしかないのですが、当初の感動はかなり薄れてしまいました。ホントに初心を忘れずに過ごすことは難しいですね。今後もいくつか試験を受けます。怠けそうになると合格した日のことを思い出すようにしたいものです。

令和元年度 宅建士試験を予想してみる3

おはようございます。司法書士試験のことばかり書いていて、宅建士の試験について書く時間がありませんでした。後10日です。私が受験生の頃はこのブログの前の方にも書いてありますが、ちょうど過去問4週目終了した時期です。頑張っていきましょう。

民法の予想論点の続きです。


売買の担保責任

これ、一部他人物とか抵当権付きとかの条件、善意とか悪意とかの主観要素など結構大きめの表が出てきますよね。あの表は絶対に覚えなければなりません。適当になんとかなるって思っている受験生もいらっしゃるかも知れませんが、なんともなりません。

覚えるのは絶対やらねばならいとして、どうやって覚えるのか。それが問題です。まぁ端的に言うと暗記するしかないんですが、漫然と表を眺めているだけでは無理です。

こういうとき表は出来るだけ単純化するように、また例外の方を覚えるようにしてください。解除、損害賠償、減額の3項目は空で思い出せるように。そして「善意」の方は確実にする。次に「悪意」の方にチェックが入る例外が4つありますが、この4という数字とともに例外の場所を覚えることです。

目標は20秒くらいで簡単な表が空で書けることですね。毎日朝晩数分やれば出来るようになりますので頑張ってください。そして試験が開始したら民法をさらっとチェックし、出題されているようであれば記憶が鮮明なうちに余白にこの表を書き込むこと。

この表を覚えれば大体の設問は解けると思いますが、次の問題は「権利の瑕疵」と「物の瑕疵」の違いです。土地なら所有権しかありませんが、建物の場合は「物の瑕疵」を問われることが多い気がします。「物の瑕疵」の場合は「善意・無過失」ですから注意が必要ですね。

もう一つ、「法律の瑕疵」は「物の瑕疵」として判断することになってますから覚えておいてください。「法律の瑕疵」ってなに?って思われるかも知れませんが、なんらかの法律があって建物が建てれませんでしたとかいう問題ですね。


連帯債務

この多数当事者ってのは難しいですね。6つの絶対効を覚えてください。請求・更改・混同(相続)・相殺・免除・時効です。

特に債権者側からの絶対効は請求のみであり、これホントによく問われています。もしこの分野が出れば、確実に出題されると思います。そして後半3つがくせ者です。負担部分という考え方が入ってくるからなんです。負担部分というのは債務者側内部の話であり、債権者からはまったく見えない部分なんですね。

このあたりを本格的に覚えるには時間的に余裕がないので、相殺・免除・時効は負担部分があるということは覚えてください。というのは連帯債務と連帯保証の比較問題が出題される可能性があるからです。

連帯保証はあくまでも保証であり、債務者ではありません。ここが連帯債務との違いです。連帯債務の場合は債務者だから負担部分ってのがでてきますが、保証人は債務者じゃないので負担部分はゼロです。従って「保証人に対して」の相殺などは相対効となります。主債務者へ影響しない。

ここ保証人に対してですから、注意してください。主債務者に対してだったら話が違ってきますので、連帯保証が出れば、誰に対してのアクションなのかをよく読み取るようにしてください。


さらっと書きましたが、もはや超直前期なので、民法はさらっと表を確認するくらいにとどめておく方がいいと思います。

建築基準法とか都市計画法とかは業界の方は結構詳しいと思うので、こちらも表をさらっと眺めるくらいでしょうか。宅建業法は過去問を見直しして過去問で出題された問題は確実にすることを目指してください。

令和元年度 宅建士試験を予想してみる2

こんにちは。今日は涼しいですね。小雨が気になりますけど。

さて、昨日の続きです。


物権変動と対抗要件

ここの分野は大きく分けて「○○と登記」と「177条の第三者」があります。前者は、さらに細かく分けることができます。「取消しと登記」、「解除と登記」などですが、特に「相続関係と登記」と「時効と登記」が難しいかなと思います。

宅建士の試験ではまんべんなく出題されるので、細かく分野を絞るのは得策ではないと思います。この「○○と登記」では、まず設問の中に「○○後の第三者」がないかどうかを探すのが得策です。「○○後の第三者」は登記の早い者勝ちなので、正誤判断が簡単です。

相続関係の登記は改正ポイントとなっており、今年は出題されにくいかもしれませんので、「時効と登記」の過去問を押さえておくとよいかもしれません。ここでは抵当権がどうなるのかということも併せて押さえておきたいところですが、時効をどのタイミングで援用するのかによって抵当権が消えないというケースもありますので、深追いは避けた方がいいかもしれません。

177条の第三者については4肢中2肢くらい出題があるかもしれません。宅建士の試験では、高く売りつける目的の「背信的悪意者」が結構好きですよね。またオーナーチェンジ後に、賃借人へ家賃を請求するお話も好きそうです。


抵当権

これは絶対に出題されると思いますし、そろそろ根抵当権の当たり年かもしれません。抵当権についてですが、法定地上権は直近出題されており今年はお休みかもしれません。

じゃあ何が出るのかですが、物上代位と抵当権の処分は押さえておく必要があります。これら単体で出題されるかもしれませんが、抵当権の広い範囲の中から1肢としても考えられます。

物上代位についていうと、差し押さえが必要だということと、ほぼ例外なく物上代位できるということです。宅建士の試験では火災保険請求権と賃料債権が好きですよね。

これらの請求権を差し押さえて物上代位するというのが基本ですが、すでにお金が支払われてしまったとかいうケースに注意が必要です。支払われてしまうとそもそも差し押さえできませんからね。

また過去問で出かかっている転貸賃料債権への物上代位は例外を押さえておくとよいかもしれません。「同視しうる」という文言がキーワードです。たぶんこのまま出題されるでしょうから、本試験の現場で見つければラッキーという感じでしょうか。

根抵当権については、根抵当権のみというよりも抵当権との比較が出題される可能性が高いと思われます。

随伴性の有無や後順位の抵当権への影響などを押さえるのですが、抵当権の成り立ち、根抵当権の成り立ちから軽くおさらいしておくと理解が深まると思います。

元本確定については、設定者からの請求が過去出題されておりますので、その反対として根抵当権者からの請求は問われるのではないかと予想します。ここは確定期日の有無を交えて聞かれるかもしれません。その他の確定事由は問われないと思いますし、もし問われたら捨て問でしょうね。

令和元年度 宅建士試験を予想してみる

こんにちは。宅建士の試験が近づいてきました。後2週間ですね。民法の出題予想について書いてみようかなって思います。

宅建の民法講師をしているときに折を見てお話ししていることなので、重複する内容があるかもしれませんが、それはご了承ください。

またあくまでも個人的見解なので、実際に出題されるかどうかはわかりません。ですが、時間に余裕がない方はどうしても優先度が高い(と判断される)ものから潰していった方がよいと思いますので参考にしてみてください。

  1. 意思表示のうち虚偽表示
  2. 代理
  3. 物権変動と対抗要件
  4. 抵当権
  5. 売買の担保責任
  6. 連帯債務
  7. 不法行為
  8. 相続

意思表示

まず意思表示ですが、大きな論点として錯誤と虚偽表示がありますが、錯誤は改正があるため敢えて出題する意図がわかりません。出題はされないのではないかと予想します。虚偽表示は平成24年、27年と出題されており、30年は出題されていませんので今年は出題されるのではないかと思います。

どういう設問になるのかはわかりませんが、94条2項の第三者にあたるのかあたらないのかという問題は必ず出るとおもいます。特に一般債権者が好きなようで、四肢の一つに出題があるのではないでしょうか。

また該当・非該当の判断だけではなく、設問によっては該当するとどうなるのかということまで聞かることもあるようです。虚偽表示は原則「無効」ですが、該当する第三者が出現したときに保護する規定だということを念頭に置くとよいのではないでしょうか。

特に平成27-2-2は昭和57年判例からの出題で結構難しいですが、他の設問で答えを導き出せることは可能です。またこれと似たような昭和38年判例があるので、時間に余裕があればそちらも押さえておくとよいかもしれません。この2つはセットなのでどちらかが出ればもう一方も出題されると思います。


代理

代理の分野は復代理と無権代理が大きなウェイトを占めています。ところで平成30年の「相続」に関する問題ですが、所謂「相続」とは全く違う論点の寄せ集めです。この中に無権代理の相続が含まれていました。

こういうこともあって今回は真正面からの無権代理に関する問題ではないかと予想してみました。無権代理に関する問題としては、相手方保護、本人保護が設問単位で頻出していますので、催告、取消し、責任追及の要件を再チェックしてください。

催告については、制限行為能力者の保護者に対する催告とも比較して押さえておくとよいかと思います。

また無権代理の相続という割と大きな論点があります。全部で4パターンありますが、無権代理人死亡、その後に本人死亡するという未出パターンがあります。気の毒なお母さんの問題ですね。これ一見登場人物が多くてややこしそうだけど、割と簡単に答えを導き出せるので余裕があれば押さえておくとよいかもしれません。