ホテル・旅館:容積率規制緩和へ

こんにちは。本日も民泊関係のニュースです。

(毎日新聞2016年5月14日号から引用)

国土交通省は、ホテルや旅館を新築したり建て替えたりする際に、より大型化して客室を増やせるよう、容積率の規制を緩和する方針を固めた。6月中にも自治体に通知する方針。大都市だけでなく全国を対象とし、地方都市での受け入れ体制の充実も図る。

容積率は、商業地では200~1300%など、都市計画法や建築基準法で地域別に定められ、自治体はこの範囲内で容積率を設定している。国交省は宿泊施設についてはこの範囲を超える容積率を認める方針だ。

実際に適用するかや、どの程度緩和するかは自治体の判断に委ねるものの、国の規制緩和により、ホテルや旅館の大型化を促す効果があると国交省はみている。

(中略)

観光庁によると、15年の国内の宿泊施設の客室稼働率は60.5%と、10年に現在の統計方法に改めて以降、2番目の高さだった。都道府県別では大阪府が85.2%と最高で、東京都が82.3%と続いており、大都市部の客室不足が大きな課題となっている。

規制緩和について、大阪府・市の観光戦略を担う公益財団法人「大阪観光局」の担当者は「規制緩和は、不動産業界の動きなども含め、プラス要因になると思う」と評価した。一方、東京23区の都市政策担当者は「少なくとも東京五輪・パラリンピックのある20年まではホテルの需要はかなりあるだろう。しかし、五輪後に外国人観光客が減ったら、という不安もある」と慎重な見方だった。

(引用ここまで)

どうもホテルなどを新築するなりする場合の容積率緩和のようですが、ホテルから用途変更する場合はどうなるんでしょうね。ワンルームマンションなどに転用しやすい形で建設し、許可申請を受けるときにはホテルだけど、ホテル需要がなくなったら元に戻すとか・・・。実際、一度建設してしまった建物でも、その後の用途変更で建替え不能という物件は珍しくありません。つまり、建ってしまったものを壊せとは言えないのです。これと同じになるなら、抜け目のないヒトはそこを狙ってくるかもしれませんね。

民泊を全面解禁、住宅地で営業認める

おはようございます。またまた新しいニュースが飛び込んできました。

(日経新聞2016年5月13日号から引用)

政府は一般住宅に旅行者らを有料で泊める「民泊」の全面解禁に向けた原案をまとめた。マンションなどを所有する貸主がネットで簡単な手続きを済ませれば、旅館業法上の許可なしで部屋を貸し出せるようになる。いまは禁じている住宅地での営業も認める。

5月末に閣議決定する政府の規制改革実施計画に盛り込む。2017年の通常国会に新法を提出する方針だ。

厚生労働省が4月に旅館業法の政令を改正し、「簡易宿所」の位置づけで営業できるようにした。しかし、あくまで旅館業法の規制を受けるため、米エアビーアンドビーといった仲介業者を通しても住宅地などでの民泊は違法な状態が続いている。

政府がまとめた全面解禁案は、マンションや戸建て住宅の所有者に関する規定を緩め、だれでも民泊に参入しやすいようにしたのが特徴だ。

新法では、ネットを通じて都道府県に必要な書類を届け出れば、帳場の設置などを義務づける旅館業法上の許可がいらなくなる。届け出書類には自分が登録する仲介業者のほか、税と社会保障の共通番号(マイナンバー)を記せば、住民票を添えなくてもいい。住宅地での民泊も解禁し、対象地域を大幅に広げる。

部屋の所有者が宿泊させたくないと考える客は、申し込みがあった段階で断れるようにする。ホテルや旅館など旅館業法上の施設は客が感染病にかかっている場合などを除き、宿泊を拒否できない。個人に同じルールを課せば、民泊をやってみようと思う意欲をそいでしまうと判断した。

一定の要件も課す。旅館業法の許可を得て営業しているホテルや旅館に配慮し、営業日数に上限を設ける方向だ。英国が年90泊、オランダが年60泊までに限っており、諸外国の事例を参考に日数を設定する。一度に宿泊できる人数も制限するかどうかを検討する。ドイツでは8人以内との決まりがある。玄関には民泊サービスの提供を表示することを義務づける。

ただ、条件を厳しくしすぎると、民泊事業への参入をめざす個人や企業の動きに水を差す恐れがある。営業日数を制限すれば採算を合わせるのが難しくなるため、関係業界からは反発が出そうだ。20年までに訪日客を年間4000万人に増やす目標の達成を妨げる懸念もあり、政府は慎重に新法の詳細を詰める。

(引用ここまで)

まとめると次のようになるかと思います。

メリット:

  • 住宅地でも全面解禁
  • ネットで簡易登録

デメリット:

  • 年間の宿泊日数上限あり

住宅地でOKとなっても、やはりマンションでは管理規約が優先されるので、厳しいかもしれません。

<民泊>表札掲示を検討 厚労省

おはようございます。本日も民泊の記事です。

(毎日新聞 2016年5月13日配信から引用)

空き家やマンションの空室に旅行者を泊める民泊の解禁を巡り、厚生労働省は、民泊施設に表札を掲げることを求める検討を始めた。都市部で横行する「ヤミ民泊」では、知らない間に旅行者が宿泊していることに周辺住民から不安の声が上がっており、民泊の施設であることを明確にして懸念払拭を図る。厚労省は近く、専門家会議で議論する。

旅館業法では、ホテルや旅館など宿泊施設を経営するには、営業許可を取らなければならない。厚労省は専門家会議の議論を踏まえ、来年の通常国会にも「民泊新法」案を提出し、民泊を許可よりも規制の緩い届け出制として認める考えだ。

騒音など近隣住民とのトラブルを防ぐため、民泊施設の管理者らに表札を掲げることや、宿泊者の名簿作成、苦情受け付けの業務を担当させる。

(引用ここまで)

もともと一軒家で営業していた場合はあんまり影響はないかもしれませんが、マンションの1室で営業していた場合はかなり難しい問題になるかもしれませんね。分譲マンションならマンション管理組合との調整が必要ですが、表札が必要となれば「闇で行う」ことは難しいだろうなという印象です。

罰則規定が設けられるのかなど気になるところが満載なのでこれからも注視していく必要がありそうです。

京都の民泊、許可は7% 市が実態調査

こんにちは。本日はちょっと気になるニュースを見つけたので引用しておきます。

「京都新聞」2016年5月10日号 掲載から引用

京都市は9日、マンションや空き家を宿泊施設として提供する「民泊」の実態調査結果を発表した。仲介サイト8社で計2702件(宿泊可能人数1万1852人)の登録を確認し、旅館業法の許可を得ていたのは、7%の189件にとどまった。周辺住民への聞き取りからは不安が根強いことも明らかになり、市は許可取得の指導を強める。

(中略)

旅館業法の許可を得ていない違法な施設数は、許可業者リストとの照合から、無許可の1071件、登録施設のエリアに許可物件がない776件を合わせ、少なくとも全体の7割に当たる1847件ある。

許可取得にはカウンターの設置や防犯対策などが求められることから、市は「投資や手間を避け、許可を取得しようと思っていない業者もいる」とみる。また、所在地を特定できないため市が許可の有無を確認できなかったり無許可であることが判明したりした物件が1442件あり、違法の可能性がある施設が最大で9割超に上る可能性もあるという。

民泊施設40件の周辺住民から聞き取り調査したところ、騒音やごみ問題などのトラブルに悩む声や、緊急連絡先が分からないという意見が目立った。運営側への聞き取りでも管理者を置いている施設は少なく、民泊への市民の不安感につながっているとみられる。

市は実態調査と別に、2015年度に民泊についての苦情が計276件寄せられたことも明らかにした。市は、13件に営業許可を取得させたほか、95件を営業中止、67件を指導中としたが、所在地不明が74件もあり、対策も困難を極めるという。市観光MICE推進室は「宿泊施設の充実は別途検討するが、民泊業者には、適法となるよう営業許可取得を強く求める」としている。市は3月末まで4ヶ月間、市内の民泊施設が10件以上登録されている海外の仲介サイトなどの情報を調べた。

(引用ここまで)

特区民泊が使える状況ではないし、使えたとしても使いにくい条件だし、しかも罰則規定もないし、となれば暫くこの状態は続くような気がします。が、京都の例でもあるように、行政から旅館の営業許可取得を強く求められるように変わってきつつあります。早急に取得が必要な場合は相談に応じますのでお気軽に連絡ください。

“民泊”が犯罪者のアジトや逃亡先になる?

おはようございます。本日はちょっと気になるニュースを見つけたので引用しておきます。

「週刊新潮」2016年4月21日号 掲載から引用

4月1日から本格的に「民泊」がスタートした。大手不動産「大京」が参入を発表したが、これまで認可されたのは東京都大田区で6件、大阪府では1件だけだ。出足が鈍いのは、旅館との競合を避けるために設けられた「6泊7日以上の滞在が条件」が原因との指摘も。だが、多くの企業が二の足を踏むのは、それだけが理由ではないという。

「民泊は、厄介な存在になりそうです」

こう苦笑するのは公安調査庁の関係者だ。

「民泊ではチェックイン以降、事業者と宿泊客が顔を合わせることがありません。それで犯罪者がアジトや逃亡先として利用する恐れがあるのです。しかも、防犯カメラの設置義務もないので、仮に事件が起きたら捜査が難航するのは間違いないでしょう」

(中略)

民泊を担当する大田区保健所の生活衛生課によれば、「事業者に任せているので、行政が防犯対策を行うことはありません」

では、大田区と大阪府の両方で認可第1号になった、宿泊予約サイト運営会社「とまれる」に話を聞くと、「チェックインの際、必ず宿泊者には対面でキーを渡している。6泊7日がワンセットなので、最低その間に1回、それ以外にも掃除を兼ねて社員が現地に足を運んで、宿泊者の本人確認を行っています」

だが、プライバシー保護の問題で、防犯カメラの設置は容易ではないという。「実は、“民泊”を謳う企業のほとんどが対面チェックもしない“非合法”なのです。認可を受けた企業でも対策が十分と言えないのに、“非合法”の会社がホテル並みの防犯対策を行っているとは到底思えません」(先の公安関係者)

(ここまで引用)

これちょっといやな感じですよね・・・。

大阪府「民泊」スタートも“6泊7日の条件”は厳しい?

毎日放送(2016/3/29放送)からの引用です

マンションの空き部屋などに宿泊できる「民泊」は、来月から大阪府で、「合法的」に営業できる制度が始まります。

ただ、その条件は「6泊7日以上」と厳しく、実態に合っていないとの声があがっています。

(中略)

ただ、こうした「民泊」の大半が旅館業法の許可を得ていない無許可営業と言われていて、京都では賃貸マンションの部屋に観光客らを無許可で宿泊させた疑いで、旅行会社の顧問らが書類送検されました。

そこで大阪府は、国の特区制度を利用して事業者に「お墨付き」を与え、合法的に「民泊」の営業ができる制度を開始。

4月からのスタートを前に事業者を対象にした説明会を開いたのですが、集まった200人からは不満の声が噴出しました。

「一方では厳しい基準をつくって、一方では認定も取らなければ許可も取らない業者が蔓延している。認定を取った方には、それなりのメリットを与えないと、こんなの普及しない。」(事業者)

実は大阪府の「お墨付き」を得るためには、客の滞在期間を「6泊7日以上」にしなければなりません。

ホテルや旅館の経営に影響を与えないようにと配慮したためですが、これが旅行者の実態と合っておらず、現実的ではないというのです。

(中略)

大阪府に先駆けて事業者の認定を始めた東京・大田区では、1000人が説明会に参加しながら、実際の申請はわずか7件に留まっています。

規制と実態のはざまをどう埋めるかが民泊事業の課題です。

(引用ここまで。)

実際には罰則規定がないので、記事にも書かれているように全く機能しないと思います。それともどこかで違法業者を取り締まったりするんでしょうか。いずれにしても大田区の申請が7件ということを見ても、様子見をする事業者がかなりいるということですね。

新たな違法民泊が横行 大阪

産経新聞(2016/3/27)からの引用です。

大阪の繁華街で外国人向けの違法民泊が横行している。マンションの一室だけでなく、韓国料理店がインターネットで客を集め、空きスペースに宿泊させる手口も。大半は旅館業法に基づく営業許可を取っていないとみられる。大阪府警も状況を把握しており、同法違反の疑いがあるとみて情報収集を進めている。

(中略)

ホテル業界関係者によると、ミナミで民泊が目立ち始めたのは2~3年前。当初はマンションの空き室などを利用するスタイルだったが、最近は韓国料理店がネット広告などで客を募り民泊に手を出すケースも目立つという。韓国人向けのネット掲示板によれば、ミナミにある同様の民泊は少なくとも約10軒に上る。

市や府警には違法民泊を疑う通報が多くあるが、捜査関係者は「利用者は短期滞在の外国人観光客。事情を聴くのが難しく、摘発のハードルは高いと言わざるを得ない」と話している。

「民泊」をめぐる制度見直し

こんにちは。日経新聞(2016/3/15)からの引用です

国土交通省や厚生労働省の有識者会議で法案を詰め、2017年の通常国会への提出をめざす

新法の柱は民泊業者の登録制度だ。実際の物件の管理者が対象で、不動産を仲介する宅建業者や旅館業者を想定。

仲介サイトに空き部屋を載せる個人などは民泊業者の登録番号を求められる可能性がある。業者に物件の管理を委託する個人が増える見通しだ。

4月には旅館業法の政令改正で民泊を「簡易宿所」とみなし、面積の規制を緩める。小型マンションで民泊が営業可能となるが、住宅地で営業できないなど制約もある。

新法では宿泊日数の規制をなくし、住宅地での民泊も認める。先行する特区や旅館業法の民泊は残る見通しだが、使い勝手の良い新制度の活用が増える見通しだ

2016年1月 民泊特区の設置

  • 国家戦略特区の東京都大田区でまず開始
  • 滞在7日以上が条件

16年4月 旅館業法の規定見直し

  •  旅館業法の「簡易宿所」に民泊を位置づけ、面積要件を緩和
  • 住宅地は認められず

17年度にも  民泊拡大へ新法

  • 管理業者に登録制を導入し、トラブル対応を義務付け
  • 住宅地でも民泊可能に
  • 賠償保険も強制加入
  • 1泊2日からOK
  • 規模の小さな業者の事業展開は困難