民泊標識「いたずらに反発招く」 貸し手に戸惑いも

本日2回目の投稿になりますが、産経新聞にも面白い記事がありましたので、引用しておきます。

(産経新聞2016年6月21日配信から引用)

「民泊」の新法制定に向けた厚生労働省と観光庁の有識者会議の報告書が20日、まとまった。インターネットの簡単な届け出で住居専用地域での営業が可能となる一方、民泊提供が外部から分かるよう「標識」を掲げることなどが義務付けられる。だが、既に民泊を行っている貸し手から「いたずらに近隣住民の反発を招く」との声があるほか、独自の規制を検討する自治体もあり、なお課題も残る。

(中略)

「民泊新法」を見据えた報告書によると、民泊は住宅地を含め“全面解禁”とするが、管理規約で禁じるマンションでは営業できない。また、宿泊者のパスポートの写しを含む名簿の作成や、外部から民泊提供が分かるような標識の掲示、「家主不在型」では、標識に管理者の連絡先を示すことも義務付けるなど、防犯対策が新たに加わる。

男性は「届け出は国がお墨付きを与えてくれるものではない。標識を掲示すれば近隣住民が反発し、民泊がやりにくくなるのは間違いない。届け出が簡単とはいえ、今の貸し手で届け出る人は限定されるのではないか」と予想した。

こうした住宅地での民泊拡大を懸念する自治体もある。京都市議会は今月、国に対し、地域の現状に応じた運用ができる法制化を求める意見書を可決。市担当者は「条例などで(規制の)網をかけていくか考えたい」と警戒する。

報告書では、違法民泊への罰則引き上げや、行政による立ち入り権限を明記。取り締まり業務の一部は民間委託を想定している。だが「啓発活動は委託できても、踏み込んだ指導などはできないだろう。(違法民泊)すべてを網羅するには人手も必要」(京都市担当者)なのが実情だ。条例でワンルームでの民泊営業を禁止している東京都台東区でも、「新法の詳細をみて対応を検討したい」(担当者)としている。

(引用ここまで)

まとめると次のような感じでしょうか。自分のモノなんだから何をやってもいいでしょというのは、それはそうなんですが、やはり周りの人がいやがるんならやめてねといったところでしょうか。かなり公共の福祉が優先されるような気がしますね。

  • 住宅地を含め“全面解禁”
  • 宿泊者のパスポートの写しを含む名簿の作成義務
  • 外部から分かるような標識の掲示義務
  • 「家主不在型」では、標識に管理者の連絡先を示す義務
  • 取締はどうなるのかはまだ模索中

民泊、全国で普及へ…ネットで届け出・罰則も

おはようございます。民泊関係の情報が入ってきました。

(読売新聞2016年6月21日配信から引用)

自宅やマンションの空き室などに旅行者を有料で宿泊させる「民泊」について、厚生労働省と観光庁の有識者検討会は20日、全国のどこでも部屋を提供しやすくする新ルールをまとめた最終報告書を発表した。

住宅地でも民泊を認めるほか、インターネットでの届け出により民泊に部屋を使えるようにする。一方、年間の営業日数は「半年未満(180日以下)」で最終調整するほか、無届けの場合は罰則の対象とするなど、違法な民泊を排除するルールも示した。

政府は報告書を受けて、旅館業法とは別の新法案を2016年度中に国会に提出する方針だ。全国的にホテル不足が深刻化する中、ルールに基づく民泊を普及させて訪日客の受け皿にする狙いがある。

(引用ここまで)

罰則がどのようなものになるのかもう少し詳細な情報が知りたいところですね。いずれにしてもインターネットの簡易届けでできるというのは、利用者側にとっては使いやすいかもしれません。

違法民泊摘発、民間委託も=急増で手回らぬ地域―政府

おはようございます。本日も民泊関係の情報です。

(時事通信 6月10日配信から引用)

住宅の空き部屋を旅行者に貸し出す「民泊」に関し、厚生労働省と観光庁は10日、違法営業の摘発業務の民間委託を認めることも視野に検討する方針を決めた。

民泊の実施件数が急増し、行政だけでは対応に手が回らない地域への配慮が必要と判断した。

都道府県や、保健所を設置した市・特別区を対象にした厚労省の調査によると、旅館業法の営業許可を得ずに宿泊サービスを行っていたケースは、2013年度62件、14年度131件、15年度(今年1月末まで)994件と急増している。

厚労省と観光庁は、年間の営業日数上限など一定要件の下で民泊を行う住宅の所有者や管理者に対し、旅館業法の許可取得の代わりに行政への届け出や登録を義務付ける法案を17年の通常国会に提出する方針。違法営業の摘発を行政だけで担うことが難しい地域では、民間委託を可能にすることを検討する。

(引用ここまで)

違法営業を摘発するのは、違法駐車の取締とは異なり、不動産が対象なので効果ありそうですね。いずれにしても罰則がどのようなものになるのかがはっきりしないと、違法はなくならないと思います。定住外国人も増加する都市部では特に、マナーに訴えるだけでは通用しなくなってきているなと感じてます。残念なことですが、仕方がないことかもしれません。

「民泊」営業日数、上限先送り 厚労省・観光庁が報告書案

こんばんは。本日2回目の投稿になります。民泊関係の記事が出ていましたので引用しておきます。

(SankeiBiz 2016年6月10日配信から引用)

厚生労働省と観光庁が、一般住宅に有償で客を泊める「民泊」の新法制定に向け今月まとめる報告書で、年間営業日数の上限を明記しないことが9日、分かった。上限は不要と主張する不動産業界と厳格な制限を求める旅館・ホテル業界の調整が難しく、両省庁は今後の与党での議論を踏まえ結論を出すことにした。

政府の全体方針を検討する規制改革会議は民泊に関し、年間営業日数を「半年未満の範囲内で適切に設定する」よう答申し、今月2日閣議決定された。新法の具体案は、業界団体や学識者などを集めた厚労省と観光庁の検討会が、同答申を踏まえ報告書をまとめる。

ただ営業日数については、答申の内容を超える具体的な数字を示さない。「上限を設けると参入しづらい」と主張する不動産業界と、「30日未満が妥当」と訴える旅館・ホテル業界の隔たりが大きく、意見の一致が難しいためだ。また両省庁は、参院選で各業界の支援を受ける議員にも配慮。日数の問題は、今後の与党での議論を法案に反映させることにした。

海外では、米サンフランシスコ市が年間90日の営業を上限とするなど、住環境の維持やホテルとの共存を目的に日数や戸数などを規制している例が多い。規制が追い付かなかったパリではアパートを民泊に回す賃貸事業者が増えて家賃相場が高騰し、一部地域で住民流出も起きている。中国では、民泊解禁をにらんで日本での不動産投資を勧める報道が出始めた。

民泊の営業日数制限は、企業などの大規模な事業展開も容認するのか、あくまで国際交流を旨とする個人の小規模なビジネスと位置付けるのかという、制度の根幹を左右する。政府は年度内に法案を国会提出する予定だが、住宅市場への影響なども目配りが必要だ。

(引用ここまで)

上限先送りとのことですが、いずれ上限は決まるのではないかと思います。あと都心部は条例で緩和措置を認めない方向なので、民泊増加というようりはラブホテルの転用事例が増加していくのではないかと思われます。

ラブホテル改装で訪日客受け入れ 政府が条件付きで後押し

こんにちは。忙しさにかまけてブログ更新できていなかったのですが、久しぶりに面白い記事を見つけたので引用しておきます。

(SankeiBiz 2016年6月10日配信から引用)

政府は9日、訪日外国人旅行客の急増に伴うホテル不足の解消を目指し、比較的稼働率に余裕があるラブホテルの事業者が観光客向けの一般ホテルに改装する場合、条件付きで後押しする方針を固めた。改装のための融資が受けやすくなるよう政府系金融機関の対応を進める。一般住宅に有料で観光客らを泊める民泊の規制緩和とも併せ、受け入れ態勢整備を進める。

事業者が改装のための融資を受けやすいよう、ホテルや旅館業の受け皿となる日本政策金融公庫に対し、厚生労働省が4月、「資金に関する相談に特に配慮するよう」通達した。政府系金融機関は公序良俗に反する業者は融資対象外だが、「(観光立国に資する)一般ホテルへの改装という条件なら、一般ホテルへの融資に該当する」(厚労省)としている。

観光庁の調査では、訪日客増加などで、ビジネスホテルやシティホテルの平均稼働率は4月も7, 8割で推移するが、日本中小ホテル旅館協同組合によると、全国で約1万2000店ともされるラブホテルの平均稼働率は平日で約4割。風俗営業法の規定で、利用客が従業員と面接せずに鍵が受け渡せる一方で、18歳未満の利用が禁じられるなどの営業規制を受ける。

訪日客の増加を受け、業者からは一般ホテルへの転換を模索する動きも出ている。ただ風営法の営業規制を外すにはフロントや客室の改装が必要だが、中小事業者も多く、改装資金の調達が課題となっていた。

政府の観光ビジョンでは2020年に訪日客数を4000万人とする目標を掲げているが、都市部を中心に宿泊施設の需給逼迫(ひっぱく)が課題となっている。民間の調査機関は、東京オリンピック・パラリンピックに向けた今後のホテル開業計画を加味しても、同年には全国の客室数が1万室以上不足すると試算している。

(引用ここまで)

当事務所がある新宿近辺にも該当するホテルは沢山あります。稼働率が悪くなっているのか、廃業してそのままとなっている物件もたまに見かけます。かといってその他の用途に転用できるのか?となると難しいと言わざるを得ないでしょう。というのも、周辺は同業のホテルだらけなので、区役所通りとか職安通りなど大通りに面しているならまだしも、一般のマンションへの転用は難しいだろうし、オフィスとしても難しいのではないでしょうか?

ただし、外国人宿泊者向けの簡易宿泊所は可能性としては有りだと思います。民泊よりも周囲の住民の理解も得られると思います。

<民泊>35自治体、緩和せず…フロント設置義務付け

こんにちは。4月の規制緩和(フロントを設置しなくても営業許可が得られる)にもかかわらず、35自治体が今も条例で義務付けているという情報が毎日新聞にまとまっていたので引用しておきます。

(毎日新聞2016年5月22日配信から引用)

個人宅を旅行者に有料で貸す「民泊」について、国が今年4月からフロント(玄関帳場)を設置しなくても営業許可が得られるよう規制緩和したにもかかわらず、47都道府県、20政令市、東京23区の約4割に当たる35自治体が今も条例でフロント設置を義務付けていることが、毎日新聞の調査で分かった。このうち都内の9区を含む17自治体は近隣トラブルの懸念などから当面は条例改正しないとしており、民泊の需要が高い都心部などで普及のめどが立っていない実態が浮かぶ。

政府は、今後さらに民泊の規制緩和を進める構えだが、近隣トラブルの増加や既存の旅館・ホテルの反対を懸念して拡大に慎重な自治体が、国に歩調を合わせるかどうかは不透明だ。

空き家や空き部屋を利用した民泊は、これまで事実上放置されていたが、国は外国人観光客の増加などを見越したルール化を検討。4月から民泊を旅館業法が定める「簡易宿所」と位置付けて営業できる場所などを制限する一方、一般住宅にはないフロントの設置は許可要件から外すことを決め、営業許可を出す自治体に必要な条例改正などを促す通知を3月末に出した。

しかし、厚生労働省のまとめや、毎日新聞の5月中旬の調査によると、12道県、13政令市、都内の10区が、条例でフロント設置を求めていた。このうち約半数の18自治体は条例改正や弾力的な運用で要件を緩和する意向だったが、残りは義務化を当面続けるとし、9自治体(2県6市1区)が「条例改正するか検討中」、8区が「条例改正しない」と答えた。フロント設置義務があると、現行の無許可営業の民泊のほとんどは許可を得るのが難しいとみられる。

国は6月にも、住宅地での営業も認めるなど民泊のさらなる規制緩和策をまとめる方針で、大阪市などは「住民の安全が保てるのか、国の動向を見たい」としている。一方、世田谷区は「良好な住環境を悪化させる必要はない」、渋谷区は「民泊利用者の安全確保にも必要な規制だ」と指摘。台東区は国の通知と逆行する形で、3月末に条例改正してフロント設置要件を加えた。

また、都内各区に4月以降に民泊を簡易宿所として許可したケースがあったか聞いたところ実績はゼロだった。


◇フロント設置を義務化している自治体と今後の対応

<都道府県>

要件緩和予定 検討中 改正予定なし
北海道
群馬, 神奈川
岐阜, 愛知
三重, 奈良
徳島, 高知
宮崎
新潟
島根

<政令市>

要件緩和予定 検討中 改正予定なし
さいたま
川崎
新潟
静岡
名古屋

福岡
札幌
仙台
横浜
京都
大阪
北九州

<東京23区>

要件緩和予定 検討中 改正予定なし
杉並 大田 千代田
中央
新宿
文京
台東
世田谷
渋谷
豊島

(引用ここまで)

これを見る限り、都心を中心に規制が残りそうです。やっぱりヒトが集中しやすいところの方が、どんな人が来るか分からないという不安が強いということなのでしょう。

民泊、自治体条例での禁止も可能に

立て続けに別のニュースが入ってきたので引用しておきます。

(産経新聞2016年5月23日配信から引用)

一般住宅に有償で客を泊める「民泊」の規制緩和をめぐり、厚生労働省と観光庁の有識者会議は23日、市町村条例などで民泊営業を禁止できることを、6月中にまとめる報告書に明記する方向で一致した。

政府の規制改革会議は、ホテルや旅館が認められていない住居専用地域でも民泊を営めるようにする新法の制定を提言したが、地域の事情に応じた規制も可能だと明確化する。長野県軽井沢町と東京都台東区が事実上禁止するなど、すでに自治体独自の動きも始まっていた。

(引用ここまで)

先ほどの記事で、6月にどうなるのか気になるところと書きましたが、どうも「条例で「民泊」を禁止できるようにする」という文言が入るようです。

が、問題は罰則ですね。罰則も条例で定めることができると記載されるのかどうかが気になります。日本の多くの自治体では、罰則を定めるというよりは個々人のモラルとかマナーに訴えかけるというのが多く見受けられます。日本人だけを相手にしていた時代にはこれも通用したのかもしれませんが、外国人が民泊を運営しているケースも多く、彼らにとっては罰則がなければあまり効果はないかもしれません。

民泊の不都合な真実

こんにちは。本日も気になるニュースが入っております。

(HARBOR BUSINESS Online 2016年5月23日配信から引用)

◆世界一の観光立国からの「警鐘」

去る3月17日、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(以下、全旅連)の招聘により、フランスのホテル&レストラン関連業界団体を招き「基調講演 テーマ:民泊の不都合な真実 ~世界最大の観光大国フランスで起こっていること」と題した緊急フォーラムが都内で開催された。

「もうフランスはAirbnbにやられてしまった。日本はまだ間に合う、フランスと同じ轍を踏まないでほしい」

(中略)

◆パリを襲ったホテル廃業と住宅難の渦

問題はホテル業者だけではない。「アパートなどの所有者がより利益の上がる民泊営業に物件を回したため、パリ市内の家賃相場は数年で急上昇していきました。民泊物件へ回すために賃貸契約の約25%が契約更新されず、住人は住居を失い高額な物件を探してやむなく賃貸し直すか、郊外へと引っ越しを余儀なくされた。特に観光客が多い地域では、住民が減り学級閉鎖に陥る学校も出ています」

住民は、Airbnbにより生活の為の家を失い、より高い物件を借りたり、賃貸更新時に値上げに応じなければならなくなってしまった。その高額な家賃を払うために自分達が使用する部屋数を節約して減らし、空けた数部屋を利用しAirbnbで稼がなければならないという悪循環なケースもあるという。

しかし、彼らもシェアリングエコノミー自体を否定しているわけではない。この緊急フォーラムの中でフランス代表らは、民泊が緊急に改善すべき点について次のことを強調した。

◆フランス代表が提案した民泊の改善すべき点

1つ目に「Airbnbは、新たな体験や地元との交流などシェアビジネスの有用を語るが、そこで何が起きているかを具体的に見ればそのイメージ戦略とは全く違う」点。

2つ目は「Airbnbの匿名性を徹底的に潰しておくこと。この匿名性があったためにフランスはあれよという間に現状の様な状態になってしまった」点だ。

例えば、年間の民泊営業数は120日までと決められているが、全く遵守されていないのが現状だと言う。なぜ全く遵守されていないのか?

それは、厳密に捜査ができないためだ。厳密に捜査するためには捜査要員が少なすぎることもあるが、原因の根源は圧倒的な民泊の数と匿名性にある。日本は昨年2015年ベースで訪日外国人数は2000万人弱。世界一の観光立国であるフランスでは既に約8000万人強の集客がある。仮にパリのみを見ても、ホテルのキャパシティは約11万床になるが、民泊はAirbnbだけでも6万軒あり20万床に達する。2008年と比べると2015年の方がパリへの外国人訪問者数は30%以上も増えているのに、合法なホテル等への宿泊は減少しているのだ。

◆脱税を生み、雇用を奪う民泊の負の部分

「宿泊先は客が選ぶものではあるが、そこにほとんど経費やイニシャルコストもかからず、多くの脱税を生み、業界の雇用を奪い、必要な人が普通にパリに住む環境を不当な競争によって破壊しているのは明白だ」(デュック氏)

規制なし・監査なしの安全面放置(警察用登録シート無、警備体制の盲点)、24時間管理体制の不在、消費者保護の為ホテルに課される義務が民泊には不在。ホテル事業者の粗利が売上の5~10%程度なのに対し、民泊の場合は60~70%となると、仏ホテル職業産業連合(UMIH)は試算する。

「確定申告し納税しているのは、フランスの民泊ホストの15%」だとUMIHホテル部門会長のローレン・デュック氏は言う。部屋の貸し手が匿名性を持って物件を登録できるAirbnbのシステムそのものが、脱税するなど様々な犯罪の温床になっていると力説した。

◆テロリストの潜伏先にもなった民泊

また、21015年11月13日(日本時間14日)に発生したパリ同時多発テロでは、その主犯格が潜伏先として民泊を利用していたと明言。これについては質疑応答でも日本側の記者から質問が飛んだ。

「パリの同時多発テロで民泊が潜伏先として使用された事実は、日本ではあまり報道されていません。詳しく教えて頂けますか?」という質問に対し、シュネ会長以下3名のフランス人登壇者は、互いに目くばせをしつつ、慎重に回答した。

「あのテロ事件でパリはもちろん、フランス全土が体験したことがない程の大きな悲しみに包まれ揺れました。あれだけの落胆と憔悴をフランス国民が味わった中、我々は鬼の首でも取ったかのように、そらみたことか、テロに民泊が使用された!とその部分をことさらに強調して抜き出し声高に訴えることはしませんでした。フランスの多くのマスコミもそうでした。それから我々も、政府の民泊推進・容認、制限付き容認、民泊反対派などと、多くの交渉チャンネルとしてのパイプは持っていなければならない。それらを失わずに今後も言うべきは言い、活動と交渉をしていかなければならないということでご了承いただきたい」

Airbnbの先行により民泊が既に不本意な形で野放しとなってしまったフランスでは、民泊が死亡事故・性的暴行・盗難・火災・売春の温床になっている事実、薬物使用・騒音など、民泊のマイナス面として知られるようになった。加えてテロリストの潜伏先にも利用されたのだ。

◆「日本はまだ間に合う」

そして緊急来日したフランス人達は念を押すように、フォーラムの最後に再度、このように強調した。

「Airbnbのイメージ戦略とその実情は全く違う。匿名性を徹底的に潰して下さい。すでにフランス全土に拡がり、取り返しがつかないほどAirbnbにやられてしまったフランスとパリの現状をよく見て下さい。日本はまだ今なら間に合う、フランスと同じ轍は踏まないで下さい。良識ある日本の皆様のご検討をお祈りしております」

どんなに素晴らしいルールが施行されても、それを監督する取り締まりとの両輪が揃わなければ、フランスの轍を踏むことにもなりかねない。既に中国系民泊サイト大手2社の日本における保有ベッド数は、Airbnbの日本でのベッド供給数に迫る勢いだ。現在、全国的な民泊解禁に向けてのルール作りが急ピッチで進められおり6月にはその要綱が明らかになるが、現状で聞き漏れてくる情報を繋ぎ合わせると、民泊は旅館業法上の簡易宿泊所に統合され、自宅を使う民泊とビジネスとして展開する民泊とは分けて考えられている。これは日本の現状に合ったスマートな選択肢かもしれない。その際、Airbnbを始めとする民泊マッチングサイトと新規派生ビジネス、委託関連ビジネスに対しても、何が合法で何が違法かを徹底周知させなければならないだろう。

そして民泊の影響は、宿泊施設が足りないと言われる東京や大阪、そして京都でも既に色濃く出ている。筆者が独自に行った宿泊施設への聞き取り調査でも、東京や京都などは繁忙期のピーク時こそ宿が取りにくいものの、年間で見れば5%~10%弱の客室稼働が落ちている。いまだ宿泊施設不足が懸念される大阪でも昨年ほどの状況ではなくなっている。全国的な民泊解禁は、大都市と地方都市や誰もが知るような有名観光地ではなく、地元の景観や旅情を保ちながら細々と展開しているような観光地の、地域経済ごと破壊する可能性も秘めている。そうした零細観光地への配慮が、ルール作りに反映されることを期待したい

(引用ここまで)

先日のテロ犯が民泊を使用していたというところがすごく気になりますね。このフランスの関係者がいうように透明化を図る手立てを考えないとダメなんでしょうが、どうも日本の行政は最初すごく慎重なんだけど、一端スタートすると突っ走るような気がしていて心配です。もはや遅きに失したかもしれませんが、6月の閣議決定の時にはキチンとした判断をしてほしいところです。

マンション住民、民泊利用警戒

おはようございます。最近立て続けに民泊関連のニュースが飛び込んできています。

(日経新聞2016年5月22日配信から引用)

政府が規制緩和に動く一方、分譲マンションでは「民泊禁止」の事例が増えている。宿泊客が騒いで近隣住民に迷惑をかけたり、安全上の問題が発生する恐れがあるためだ。

東京・足立のマンション「イニシア千住曙町」は管理規約を変更して民泊を禁止した。

(中略)

イニシア千住曙町は住居の平均面積が80平米のファミリー向けマンションで、賃貸に出ている部屋も少ない。購入者が暮らすための場所という側面が強い。民泊によって見知らぬ人が頻繁に出入りするようになれば住民の不安は高まり、資産価値も下がりかねない。

ゲストルームやプールなど豪華な共用施設を備えている事例が多い東京湾岸のタワーマンションでも民泊を禁じる事例は多い。江東区の「ブリリアマーレ有明」は周辺マンションに先駆けて、14年4月にシェアハウスや民泊の禁止に踏み切った。快適な住環境が損なわれかねないうえ、住民が管理費を払って維持している共用施設に民泊は「ただ乗り」するものなどと管理組合は指摘する。

管理規約は住民がマンションの使い方を定めたルールだ。根拠は区分所有法で「管理規約自体も法律のようなもの」(弁護士の桃尾俊明氏)。民泊が全面解禁された場合でも、管理規約で禁じていれば、そのマンションでは民泊はできない。政府の規制改革会議も民泊の部屋の提供者や管理者に、管理規約に違反しないか確認することを求めている。

多くのマンションの管理規約には、専有部分(部屋)を「もっぱら住宅として使用する」という規定がある。これだけで民泊を禁止できるとみる専門家は少ない。民泊を明確に禁じる管理規約を設けておけば、住民や中古での購入検討者に「このマンションでは民泊ができない」と理解され、トラブルも避けやすい。

新築でも住友不動産が民泊を禁じる規定を最初から盛り込んだ分譲マンションを15年末から販売している。顧客からは「安心できる」との評価が多く、今後も都市部の主要物件で民泊禁止の規約を設定していく方針という。

ただ、すべてのマンションで一律に禁止すべきだという意見は少ない。投資用マンションであれば問題は起きにくかったり、分譲マンションでも築年数が経過し、空き部屋が多いケースもある。こうした物件では逆に「民泊可能」の管理規約をつくることも考えられる。

(引用ここまで)

マンションの内部は規約で制限を掛けることができたとしても、周辺エリア全体での規制は難しいため、すぐ隣で騒いでいる状態であったとしても泣き寝入りになる可能性はありますね。騒がしい宿泊客が多いとは思いませんが、可能性は否定できないわけで、政府としては広げたい意向をもっているにしても、住宅地とかの区分が何のためにあるのかという議論が起こってもおかしくないですね。

マンション管理規約の変更は、今後増加するような気はします。

民泊営業「年180日以下」全面解禁へ規制改革会議答申

おはようございます。本日も民泊に関するニュース引用です。

(日経新聞2016年5月19日配信)

政府の規制改革会議は19日、80項目の規制緩和策を盛り込んだ答申をまとめ、安倍晋三首相に提出した。一般住宅に旅行者らを有料で泊める民泊を全面解禁する方針を示す一方、営業日数上限を「180日以下」とする条件を打ち出した。政府内で具体的な上限値を詰めて2016年度中の法整備をめざす。

(中略)

政府は答申内容を盛り込んだ規制改革実施計画を今月末に閣議決定する。

民泊では、いまは禁じている住宅地での営業を容認。届け出制とし、住宅提供者ら施設管理者には宿泊者名簿の作成や衛生管理を義務付ける。営業日数の上限は年90泊の英国や年60泊のオランダなどの例を参考にし、90~180日の間で調整が進む可能性が高い。

急増する訪日外国人向けには、通訳案内士の国家資格がなくても観光ガイドの報酬を得られるよう法改正を盛り込んだ。サービスの質を確保する対応策を講じ多様で安価なガイドの普及を促す。

(引用ここまで)

住宅地での営業は、先日ブログで紹介したように届け出で容認されるようになるようですね。衛生管理なども考えると業者が絡んでくることになりますが、宿泊上限はどうやるんでしょうか?