こんにちは。本日は民事訴訟法の自白と証拠について書いてみます。
民事訴訟法は弁論主義を採用しており、3つの原則があります。
- 主要事実について当事者の提出責任(当事者が主張しない主要事実は判断してくれない)
- 自白の拘束力(裁判上自白が成立した主要事実を判決の基礎としなければならない)
- 職権証拠調べ禁止(当事者が提出した証拠によって認定しなければならない)
簡単に言ってしまうと、裁判所は双方から出されたものを吟味して判断するだけであり、裁判所が自ら証拠を発掘してくれたりしません。何も主張しなければ負けということですね。
それはおいておいて、今回は自白です。(いついつまでに主張とか細かい規定があるのですが、今回その辺りは省略してますので注意)
自白の成立
自白が成立すると不要証事実となります。つまり、実際にその事実があったということになり、証明はいりません。例え裁判官が、「おかしいな、そんなことってないよな~」と思っていたとしても、関係ありません。事実として認定されます。
擬制自白とは
読んで字のごとく、当該事実を裁判上自白したものとみなされることです。相手が主張した事実について争わなかったりすると自白が擬製されます。但し、当事者が欠席した場合に擬制自白が成立しないことがあります。
- 呼出しが公示送達(159.3.但し)
- 出席当事者が、準備書面に書いて欠席した相手方に予め知らせてなかった(161.3)
- 欠席者が争う旨記載した準備書面を提出し、かつ陳述擬制がはたらく場合(158, 277)
1.呼出しが公示送達
公示送達というのは、裁判所の掲示板に、「○○さん、裁判所に出頭してください」と書かれた紙を貼り付けるだけで呼び出したことにされる訳で、普通誰も見ません。従って、被告は出席するわけもなく、こんな状況で自白成立させるとあまりにもかわいそうですよね。
2.相手方に予め知らせてなかった
準備書面というのは、原告が言いたいことが①②③あったとして、それらを記載した書面のことです。予め裁判所と被告に対して準備書面を送る必要があります。その書面に③を書き忘れた場合、当日欠席した相手方は③について知ることはできません。これで自白成立させると被告が気の毒すぎます。
3.準備書面提出し、陳述擬制がはたらく
陳述擬制というのは、陳述したと見なしてくれることです。弁論主義は何事も陳述しなければならないが、欠席したときのセーフティーネットというか、初回だけの特例があります。準備書面を提出してた場合に、初回欠席しても陳述擬制して貰えます。
このケースは争ったとして陳述擬制が働いておりますので、自白は擬製されません。なんかややこしいです。
上記3パターン以外、例えば当事者が単に欠席したとかの場合に擬制自白が成立し得ます。で、この事実が主要事実の場合は証拠として認定せなアカンということになっています。
擬制自白 + 主要事実 → 証拠として認定
この辺は少しややこしいので試験ではよく出されるようで、注意が必要です。