連休は民法を勉強したい!

 こんにちは。今日は連休の合間。早いもんで、気付けば5月に入ってしまった。早いもんで今年も3分の1終わったということになる。

 さて、何度かこのブログにも書いているように行政書士、司法書士ともに支部の仕事を引き受けていて、今年は改選期にあたるんやが、行政書士新宿支部の方は引き続き理事、司法書士新宿支部の方は会計担当に就任することになった。引き続きよろしくお願いします。

 連休明けると司法書士の試験申込みも始まり、超直前期に差しかかる。少しは勉強せんとアカンなって思うけど、連休前からの宿題もあってなかなか難しい。せめて改正法は勉強し直ししておきたいんやけどね。

土地購入者の国籍届け出義務化へ

おはようございます。土地購入者の国籍届についての記事が出ました。

(産経新聞 2020年10月25日配信から引用)

外国資本による安全保障上重要な土地の買収に関し、政府が重要防衛施設周辺と国境離島に区域を指定し、土地購入者に国籍などの事前届け出を義務付ける法整備を検討していることが25日、分かった。11月上旬に有識者会議を設置し、年内に法整備の方向性について提言をまとめる方針で、来年の通常国会での法案提出を目指す。

複数の政府関係者が明らかにした。政府は防衛施設のうち指揮機能を持つ中枢施設周辺と国境離島の一部を安全保障上、特に懸念の大きい区域として指定。売買する際は購入者の国籍などを事前に届け出ることを義務付け、最新の状況を常時把握できるようにする。

政府は安全保障上重要な施設周辺や離島などの土地所有者を調査できるようにする基本法整備も検討を進めている。土地買収時の届け出義務付けと調査権限の付与により、外国人による土地取得状況の全体像を把握する狙いがある。

現行制度では不動産登記の変更は任意のため、必ずしも実態が反映されていない。私有地は政府に国籍など所有者の個人情報を確認する権限がなく、新法で国民生活の安全確保を目的に政府の調査に法的根拠を持たせる。

(引用ここまで)

この記事を読むと、指定区域内に限定されるみたい。やっぱりテロや一部の戦闘的な国家が存在することを考えたら必要なことやろうね。基地周辺の土地売買される方は少し面倒になるかも知れんけど。東京辺りやと防衛省とか霞ヶ関周辺が対象になるんかな?それとも23区とかなるんかな?

それにしても事前届けってことやけどどのタイミングでどこに届け出るんやろう。農地法の許可のように農業委員会のようなものができるんやろうか?それやったら行政書士の出番がくるんやけど・・・。司法書士でもできるんかな?

またこの記事の後半に「不動産登記の変更は任意」って書いてある。確かに対抗要件を具備するだけやから、売買して所有権移転してても登記する必要は無い。後で困らんように通常は売買と同時に所有権移転登記をするが、しなくてもよいことを悪用してわざと所有者が誰なんかわからんようにしてる輩がいる。

これをどうするんかについてはこの記事から読み取れんが、事前に届出したらやっぱり登記もしてくれってことになるんやろうね。添付情報には「国籍届出証明情報」とかになるんかな?

裁判官役も大変です

おはようございます。3月ですね。といっても世間を賑わす武漢肺炎のせいで気分は晴れませんけど。

先週末に政府から学校一斉閉鎖の通知が入り、司法書士の特別研修はどうなるかと思っていましたが、昨日予定通り行われました。

今回は裁判のロールプレイでした。先週のロールプレイでは和解がメインでしたが、今回は和解も含めて判決を言い渡すというものです。

主要事実が証明しきれないため、尋問を行い間接事実で裁判官の心証を形成させる必要があるのですが、これが難しい。どこに焦点を当てて尋問を聞いていれば良いのかが瞬時に判断できないんですね。どういう事実についてどのように話しているのかを評価しながら聞く必要がある訳です。

勿論、事前に準備書面を読み込み、食い違いのポイントを洗い出しておき、どこまで証言できるかっていうことを準備していたつもりだったんですけどね。

今回、裁判官は僕を含めて3人の合議体でしたが、皆さんやはりしっかりされていて、それぞれ心証を形成した間接事実を述べられます。ある要件事実を満たしているかどうかを判断するんですね。

まぁ我々が裁判官になるわけじゃないのですが、やっぱり要件事実は何であるのか、それを証明する間接事実はどんなものでどんなレベルを求めるのか、事前準備が最も大切だと思います。

6月の試験に向けて残り3ヶ月。過去問を3回くらい回したいところです。

尋問って難しい!

おはようございます。昨日は暖かかったですね。今週で2月も終わり、来週から3月ですからね。

さて昨日も司法書士の特別研修でした。本人尋問と証人尋問に臨むに当たっての尋問メモの作成です。つまりどういうことを尋問するのかを考えるわけですね。

一口に尋問っていってもこれ結構難しいんです。時間制限もあるため、単に聞きたいことを聞いているだけというわけにもいかないんですね。そして一番難しいのが、誘導尋問とか誤導尋問にあたるかどうかというところです。

ドラマなどで、検察が、

「あなたは○○にいましたよね、それって○○するためにいたんですよね?」

ってのに対して、被告側弁護士が手を挙げながら、

「異議あり!誘導尋問です」

ってやってますよね。あれです。

これ日常会話で相手を詰問したりするときにはよく使われます。でも裁判では禁止されてるんですよ。だから質問の仕方が難しい。ルールに則った戦いですが、そのルールが厳しいんです。

じゃあ聞きたいことが聞けないのかっていうと、実はそうではないんですね。裁判官はプロなので、○○にいたことを尋問で聞いていれば、その他の言動から、○○するためだったんだろうとか推測するわけです。言い替えれば裁判官の胸先三寸に運命が託されているんですよね。

認定司法書士になっても裁判官のポジションに着くわけではなく、あくまでも原告か被告の代理人です。ですが、裁判官ならどう判断するのかってところもある程度考えて発言しないとならないんですね。これが難しい。

さて、今日の研修は大手町で裁判官による講義となっています。なんか新型肺炎が気になるところではありますが、開催されるんやろうなぁ。

特別研修 模擬裁判

こんにちは。昨日は特別研修の模擬裁判でした。模擬裁判とはいうものの、原告側被告側それぞれ和解案を持ち寄っての和解期日の模擬でした。

和解案を考えるのは結構大変でしたが、和解期日に原告側被告側それぞれ交代しながら話をまとめていくっていうところは、実際に家庭裁判所でやっている調停と同じ感じであり、割ととっつきやすかったです。

実際に裁判の判決を言い渡されたとすると勝ち筋になるかどうかによって和解に期待するレベルも変わってくるし、相手側から出された案にビックリすることもあります。また大罪とした訴訟について、今回講師だった弁護士の先生がもし担当弁護士だったらどのくらいの報酬で受任されるかとか教えて貰ったりして結構楽しいひとときを過ごしました。

今日は次の課題である金銭消費貸借契約の模擬裁判の準備でしたが、こちらは証人尋問、当事者尋問の模擬をやるようです。これも楽しみですね。

それにしても司法書士の皆さんの知識はものすごいものがあり、普通に判例や先例がどうのこうのとか、さすがやなって思います。

ところで、休憩時間中に司法書士が司法書士の試験を受けることに対してどういう問題があるのかということを同期の方に聞いてみたんですね。そうすると、どうやら合格してしまうと品位保持に引っかかるようです。実際、試験中に予備校の講師と思しき人が受験しているようなので、受験することは多分問題ないとは思っていましたが、不合格になればいいんですね。マークシートに記入せず提出するとか。

昨年、宅建を教えてたので宅建士を受験しようかと思っていたのですが、宅建士を登録しているので受験してもいいのかどうか迷っていたのでちょっとすっきりしました。

準備書面って

こんにちは。昨日は久しぶりに寒かったですね。司法書士の特別研修はなかったのですが、行政書士新宿支部の研修で夕方に出かけたのですが、寒かった・・・。

今日は朝から特別研修の課題というか宿題というかになっている準備書面の検討をやっていました。原告側の訴状と被告側の答弁書、そして言い分が記載された課題を読んで原告の準備書面を書けってものです。

ところで、民事裁判では原告が訴状を提出し、被告がそれに対して答弁書を出します。その後はそれぞれが準備書面を提出するようなのですが、この準備書面ってものの位置づけが今ひとつ分からないんですね。

研修中に講師の方にこのことを聞いてみたら、最初から訴状に書いてもいいが、必要最小限だけを記載して、被告が何か言ってきてから考えるというのが普通だとのことです。最初から手の内をさらけ出す必要はないし、そもそも被告が全面的に認めればそれで終了ですしね。

まぁ言われてみればその通りです。ですが、準備書面に何を書いたらいいのかよく分からないことに変わりはないんですよね。勿論、書くべき内容は分かっているんですが、どういう構成で書けば良いのかが分からないんですよ。

最初に訴状には請求の趣旨と原因とか書き、被告はそれに対して認めるとか否認とか主張するわけです。それに対する主張だから、やはり否認するとか書くのかと思いきやそうでもない。だからよくわからないんですよね。

相手の主張を否定することを書くのか、それとも自分の抗弁というか補強すべき主張を書くのかも分からない。法科大学院に行くとこんなことばっかりやっているのでしょうけど、登記申請ばかり学んできた司法書士には難しいですね。

今回の課題は、勝手に契約書を作成した無権代理人が登場するケースでしたが、被告が本人なんですよ。無権代理人の責任を追及するって感じでもない。だとすると表見代理なのか?

表見代理ってことで参考図書を見ながらいろいろと考えていたんだが、途中で白紙委任状も貰ってないってことに気付いたんですね。(どこを調べても白紙委任状ってキーワードが出てくるんですよね、しかも委任されている風でもない)。これって表見代理に当たらないのかなとなってしばらく悩んでしまいました。

でも表見代理にも当たらないとなると、本人にはどういう責任があるんでしょうね。分からない。ということで、代理権の存在を推認させる方向で事実なりを書き出すことにしてみました。こんなんで答弁書って言えるのかどうか全く分かりませんが・・・。

株式交付制度ってなに!

こんばんは。今日は寒いですね。明日は雪が積もるとか積もらないとか予報が出ていますが、どうなるんでしょうか。研修もあるので交通機関が乱れないことを祈っていますが・・・。

さて、研修期間中に支店の登記がなくなるとかなくならないとかいうお話がありましたので、このお休み中少し調べていたところ、とても気になる記事がありました。2019年12月4日に、参議院本会議で可決され成立した会社法改正案(早ければ2021年6月頃までに施行)の株式交付制度(改正会社法774条の2~774条の11)です。公布日から1年半で施行されるとのことです。

自社の株式を対価として他の会社を子会社化する手段として株式交換の制度があるが、完全子会社化する場合でなければ利用できません。完全子会社化することを予定していなくても、子会社化するにあたって、自社株を他の株式会社の株主に交付することができる制度のようです。

改正案をよく読んだわけじゃないのですが、ただでさえ難易度の高い組織再編にさらにもう1種類加わるということに興味がわいてきます。受験生にとっては試験対策が大変になりますよね。

その他の改正点としては株主総会書類の電子提供というのが実務的に興味がわきます。いままでは個別の承諾が必要だったのが、そうではなくなったということです。試験対策的にも重要な気がします。

また監査役会設置会社とか公開大会社での社外取締役の設置義務ですね。択一も記述式問題も要注意の改正点です。

さらに最近試験員が好きそうな社債の管理機関の仕組みの創設があります。社債管理者の置かれていないケースで設置義務がありそうです。これは試験対策もさることながら実務でも対応が必要になってきそうです。

新株予約権に関する登記も記述式問題にとって要注意の改正ポイントです。

今年の試験の目玉は改正民法ですが、会社法の大きな改正はやはり受験生にとっては負担になります。1月も残り僅か。令和2年度の本試験まであと5ヶ月です。改正点をマスターすべく努力していますが、とても大変です。おそらく他の皆さんも大変だと思うので、受験生の方は自分だけ大変って考えないようにしたほうが良さそうです。

相続登記を義務化へ 罰則検討、手続きは簡素化

おはようございます。気になる記事が日経新聞に記載されておりましたので引用します。

(日本経済新聞 2019年11月26日付から引用)

法務省の法制審議会(法相の諮問機関)が年内にまとめる所有者不明土地対策の原案が分かった。不動産を相続する人が誰なのかをはっきりさせるため、被相続人が亡くなった際に相続登記の申請を義務付ける。手続きを簡素化する代わりに、一定期間のうちに登記しなければ罰則を設けることを検討する。

所有者が分からないまま放置される土地が今後も増えるのを防ぐのが狙いだ。法制審は年内に案をとりまとめ、意見公募を経て答申を出す。法務省は2020年秋にも想定される臨時国会に、民法や不動産登記法の改正案の提出をめざす。

現在、相続登記する際はすべての相続人を挙げて申請する必要がある。被相続人の出生から死亡までの戸籍の提出を求めるなど煩雑な手続きが必要だ。

新制度では被相続人の死亡を証明する書類があり、自分が相続人の一人だと証明できれば相続人全員がそろわなくても簡易的に登記できるようにする。その土地などを巡って売買や賃借など取引をしたい外部の人にとって問い合わせ先の相続人がはっきりする。

所有者不明土地の問題を巡り、被相続人の死後、相続人が登記簿上の名義を書き換えないまま放置する例が相次いでいる。特に価値の低い土地は放置されがちで、名義の書き換えの手間や登記費用などを嫌って登記しない人が多いとの指摘があった。

所有者不明の土地は外部からは権利者が誰か分かりにくく、円滑な不動産取引を妨げる要因となる。管理が十分でないまま放置されれば周辺環境の悪化にもつながりかねない。都市部に所有者が分からない不動産があれば再開発の遅れにもつながる。

法制審は被相続人の死亡時に簡易的な登記を義務付け、所有者の分からない不動産がこれ以上増えないようにする。手続きを簡素化する代わりに、被相続人の死亡後、一定期間のうちに登記しなければ罰則を課す。登記を怠った相続人への罰金では「10万円以下」や「5万円以下」といった案が検討されている。詳細は今後詰める。

法制審の原案には遺産分割を協議できる期限を「10年」と定めることも盛り込んだ。現在は法的な期限はない。

相続開始から10年で協議や申し立てがなければ法定相続分に従って分割可能にする。現行では話し合いが滞ると分割されないまま放置される事例があった。期限を設けることで遺産分割の話し合いも進むのではないかとの期待がある。

現在の民法では土地所有権の放棄を認めていない。所有権は土地の適正な管理や税金の支払いなど所有者の義務もセットであり、放棄を認めてしまえば課税逃れや管理費用を国に転嫁しようというモラルハザードを招きかねないためだ。

法制審の原案では「所有を巡って争いが起こっておらず、管理も容易にできる」のを条件に、所有権の放棄を可能にすると明記した。法人による放棄は引き続き認めない。放棄された土地はいったん国に帰属させ、地方自治体が希望すれば取得できる仕組みを検討していく。再開発など土地の有効活用につなげる。

(引用ここまで)

相続登記の義務化についての議事です。気になる点は、相続人が確定しなくても自分自身が相続人であれば簡易的に登記できるようにするってところでしょうか。

簡易的に法定相続で登記するのか、それともその人名義で登記するのか?ってところが気になります。個人の名義で登記すると後々問題がありそうですし、法定相続での簡易登記となれば、登記はいいとしても売却するのは勝手に出来ないような気がしますし・・・。

また田舎の方の土地で価値が低いから放棄したいという相談を受けることもあったのが、放棄できるように制度が変わると解決する可能性が出てきましたね。

いずれにしても遺産分割協議書の作成や不動産の所有権移転登記など司法書士の仕事は増えるような気がします。早く司法書士登録をして準備しておきたいところです。

一部所有者で売却可能に 所有者不明地で対策

おはようございます。興味深い記事が日経新聞に出ていましたので引用します。

(日本経済新聞 2019月11月18日付から引用)

国土交通省と法務省は所有者の全容が分からない土地について、一部の所有者によって売却や賃貸ができる仕組みをつくる。所有者の所在が分からない「所有者不明土地」を対象とする。売却などの手続きを柔軟にすることで企業や近隣の住民が土地を取得しやすくし、九州本島の面積に相当するとされる所有者不明の土地の活用を進める。

土地の売買は所有者全員の承諾をもとに進めることが民法で定められている。例えば土地の所有者だった父が亡くなり、母と2人の子どもに相続した場合、現状では3人全員が認めない限り売却はできない。一方で自分の持ち分だけであれば売却が可能だが、土地の一部にとどまるため買い手が付きづらいという事情がある。

(中略)

国交省と法務省は所有者が見つからない土地の活用を進めるため、住所や連絡先が分かる一部の所有者によって、土地の売却や賃貸ができる仕組みをつくる。20年の通常国会に関連法改正案の提出を目指す。

売却の場合は共有者が不明所有者の持ち分について金銭を法務局に供託することで土地を取得し、共有関係を解消できるようにする。土地の賃貸や盛り土などの整備については、不明となっている人以外の残りの所有者の承諾で可能にする。

手続きにあたっては登記簿や固定資産課税台帳などの調査や行政機関、親族らへの聞き取りといった不明者を突き止めるための探索をすることを条件とする。他の所有者が異議を申し立てることができるように、公告をすることも前提だ。

18年に成立した所有者不明土地法では所有者が分からない土地について、登記事項証明書の交付請求や親族、行政機関への情報提供の要請といった調査をしても所有者を確定できなかった土地と定義した。この定義に基づくような調査をしても所有者が見つからない土地は、新たな仕組みで売却や賃貸ができる可能性が出てくる。

(中略)

国交省と法務省は実現に向けて必要となる不明所有者の調査の範囲などを細かく定める。手続きに入ることは公告するが、一般の人にはなじみが薄く、周知には課題が残る。

国交省は危険物の放置や悪臭など周辺に悪影響が及びかねない場合は土地所有者の所有権を制限し、危険物を除去しやすくする制度改正も予定している。売却手続きを柔軟にする方針と合わせて、所有者不明土地の課題に取り組む。

(引用ここまで)

まだこれからのようですが、供託制度の活用や公告など諸手続を経由しなければならないようです。司法書士としては、是非取り組んでいきたいと思います。今後要チェックですね。

令和元年度 宅建士試験 民法雑感2

おはようございます。昨日に引き続いて令和元年度の宅建士試験の民法について雑感です。


第5問

無権代理は出題予想しておりましたが、判決文問題で出題されるとまでは考えてませんでした。ただ判決文問題ではあるが、判決文を読まなくても解けるような問題でした。

設問4は本人相続型です。過去問でも出題されていますし、講義を受講された方には無権代理と相続についての4パターンを詳しく説明しておりますので、比較的とっつきやすかったかもしれません。

設問1は追認拒絶した後、もう一度追認できるかという問題ですが、ここは知らなくても判決文を読み返せば判断できたかと思います。

設問3は遡って有効となりますが、こういう効果が発生する時期などは少しおろそかになる方が多いようなので、ここ間違われた方は要注意です。

設問2は、無権代理人相続パターンです。前半は本人拒絶で代理行為が無効確定してますが、後半は責任を問われますよね。

今回は判決文問題なので判決文をよく読めば正解を導け出せたと思います。ですが、設問に引きづられて、例えば設問3の後半の但し書きで迷われた受講生がいらっしゃったかも知れません。もし知識として欠けていれば押さえる必要ありますが、問題を解く、正解を導くという意味では判決文をよく読むのが重要だった気がします。


第6問

遺産分割の問題です。「預貯金債権」というキーワードが目についたので設問3から検討しました。少し前に預貯金債権も分割の対象になりましたので、押さえていた受験生は多かったのではと思います。

設問1は、遺言で禁止することができるので、ここまで読んで「×」と判断をしましたが、まだ正解肢にたどり着けない。

設問2は遺産分割協議の合意解除の問題です。合意解除はできるが法定解除はできないという有名どころなので容易に判断できたかと思います。


第7問

準占有者に対する弁済です。過去問でもそれほど出題されておらず、ここはノーマークの受験生が多かったかも知れません。

設問2と3について、受領権限がない者に弁済するとき、弁済者が善意無過失だったら有効になります。

設問4は同時履行の抗弁権の話ですが、この分野を切り出して比較検討していた受験生は判断できたと思います。

設問1は最終的に弁済されているということに気づけばなんとか判断できたかなとは思いますが、判断できなくても仕方がないかも知れません。


第8問

請負契約です。建物の場合は「解除できない」というのが何度も問われていますね。

設問4から検討しました。これは請負契約の基本なので判断できたと思います。次に短い設問は設問2。年数が出ている問題は出来れば避けたいので、設問3を検討しました。注文者のせいということなので正誤判断はできます。

設問1。解除は出来ないという知識は知っていたとしても、立替費用相当額の損賠は知らなかった受験生は多かったかも知れません。これを知らないと設問2に戦いを挑むしかなくなるのですね。

民法を勉強したが、点数を取れないという受験生はたぶん但し書きとか例外、平行してできることなどを押さえきれていないような気がします。


第9問

時効中断です。請求棄却とか取り下げでは中断しない。この問題は簡単でした。もし分からなかった受験生の方がいらっしゃったとすれば、「棄却」とか「却下」というのが具体的になんなのかを試験中に考え始め、深みに落ち込んだんだと思います。


第10問

抵当権の処分です。抵当権からは抵当権と根抵当権の比較、物上代位、抵当権の処分を予想しました。このうち順位の譲渡の計算問題が出題された形です。講義では何度か抵当権の処分について説明させていただきましたが、きちんと押さえていた受験生はこの問題は取れたと思います。

民法10問のうち大体4問くらいは取れて、肢を一つずつ検討して正解に導けくことができたのが2,3問あるという感じでしょうか。