遺言の立会い(民法969条)

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おはようございます。最近すっかり温かくなってきました。ただ残念なことに4月になってからは雨が続いており、桜が早々と散ってしまいそうです。

ところで最近、公証役場での遺言立会の仕事が割にあります。この立会というのは、公正証書遺言の証人のことで、2人以上の立会いが必要です(民法969条)。

公正証書遺言

  • 公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない
  1. 証人二人以上の立会いがあること
  2. 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること
  3. 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること
  4. 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる
  5. 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと

ここで口述をするとなっておりますが、実際のところ下書きを予め公証役場に送っておき、立会いの現場では原本及び謄本は作成されております。公証人はこの原本に基づいて口頭で述べ、遺言者と証人2人、さらに公証人が署名捺印をします。


 

この公正証書の証人には欠格事由があり、よく試験問題に出ます。

証人及び立会人の欠格事由(民法974条)

  • 次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない
  1. 未成年者
  2. 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
  3. 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人

ここで公証人の関係者が除かれております。試験問題では耳が聞こえない人とか被保佐人とかで問われることがありますね。

注意しておきたいのは2項です。文言がすっと頭に残る人はいいですが、自分自身も含めてまったくスッと入ってこないと思います。推定相続人の直系というところがポイントで、父親の遺言書を想定すると、叔父さんはセーフです。

さて、遺言書はその性格上財産の開示に近いため、証人を頼む場合に友人知人を避ける傾向にあるのです。では誰に証人を頼むのか?見ず知らずの人でも身元のしっかりした人になって欲しい、というのが人情では無いでしょうか。ということで行政書士や司法書士などが証人としてよく求められるようです。