遺言書作成について

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おはようございます。昨日降ったりやんだりしていた雨が今朝も続いている。しかも大雨やし・・・。

世間では4連休。武漢ウィルスの感染がなかったら、今日からオリンピックが始まったんやね。でも、この雨はもう少し続きそうやから、オリンピックが実際に開催されてたとしても、この降りしきる雨の中の開会式になってた。

昨日、高田馬場にある新宿区役所戸塚出張所で無料相談を行ってました。遺言書関係のお話が中心で、武漢ウィルス関係はまったくなし。やっぱり申請する人はすでにやっていると考えた方がいいんかも知れんね。

ひとくちに遺言関係って言っても様々で、遺言書をどうやって書いたらいいんかわからんって方もいらっしゃれば、公正証書と自筆の違いを知りたいとか、あるいは遺留分を請求されないためにはどうしたらええのん?とか。人によって相談の内容は違ってきます。

相談を聞いていて一番多いなぁってのは、公正証書にした方がいいの?っていうもの。個人的には後々のことを考えて公正証書をオススメするが、不動産はなく預貯金しかないとか、相続人が妻子とか、ものすごくシンプルな場合は手書きでもいいように思います。法務局で遺言書を預かって貰えるようになったしね。

それよりも、公正証書にするとまずお金がかかる。だいたいはこんなことにお金を掛けたくないんが人情やから、できるだけ出費を押さえようとする。そうするとやっぱり手書きが一番かなって思うわけ。行政書士としては仕事にはならんけど・・・。

ただ争いの匂いがするようなケースは、きちっと遺言書作っていた方がいいんで、そうなってくると公正証書の方がいいような気がする。勿論、どっちのやり方にするのか選択するんは遺言書を書く当人のお気持ち次第なんやけど。

公証人に書いて貰おうってことになったら、次はどうするか?普通は公証役場とコンタクトを取ろうとします。そのとき僕たち行政書士のことは頭に浮かばんと思う。最近の公証役場では遺言書の雛形を用意してくれているから、よっぽどカスタマイズが必要やない限り(ある程度の決まった内容やったら)公証役場で作って貰うことができる。まったく行政書士が入り込む余地はない。

少し話が飛ぶけど、僕は家庭裁判所の調停委員をやってる。お客様(というか申立人)本人が出頭される場合もあれば、代理人(弁護士)と一緒に出頭される場合もある。代理人のみっていうのは、よっぽど忙しいとかやない限りは少ないように思う。

調停は裁判やないから、双方の合意が形成されんと先へは進めない。ということは、どちらか一方が主張のみして譲歩がないとほぼ合意は不可能ってことになる。代理人をつけずに本人が出頭されているケースによく見られます。こういう場合、僕たちは代理人がいてくれたら楽なのになぁって思ったりする。代理人がいるとあまりに無理スジな要求は出てこんし、落とし所をクライアントに話してくれる。要するに進行がスムーズになってとても助かるんですね。

家事調停やないけど、お金借りた側は本人出頭で、消費者金融側は代理人が出頭しているって場合がある。ずいぶん古い債権で、裁判官や代理人はすでに消滅時効にかかっていることを知っていて覚悟もできていたとする。でも本人が時効を援用せんかったらどうしようもない。不公平になるから裁判官から「時効、援用せんの?」って聞くことはまったくありえんし。この場合も被告に代理人がついていると話はスムーズに進む。

最初に書いた公証役場に戻るけど、公証役場としても直接話を持って来られると進行が遅くなるんですね。あれを提出してくれ、これを提出してくれ、くらいはやったとしてもこういう風に書いてくれっていう細かなケアができない(と思う)。で、ここが行政書士を活用して貰える場面になるんかなって考えてる。とは言うものの、公証役場でもやっぱりなんとかやってしまうから、行政書士の仕事は少ないよな・・・。お金かかるし・・・。

ただ、遺言書を書こうという本人の意思があったとしても、もともと妻とか子どもが当事者に遺言書を書いて貰いたいってところから始まったような場合は、絶対に専門家にご依頼されるのがよいと思う。というのも、こういうケースやと、家族で公証役場を何度か訪問したりて、なんとなく遺言書を作っていくことになる。でも最後の最後は家族が付き添いで来てたとしても、本人と証人だけで遺言書の内容をOK判断しなければならんので、遺言書の内容を本人に完全に理解させておく必要がある。

公証役場では遺言内容をかみ砕いて理解させることはできても、説得することはできんし、また家族が説得してもその現場を公証人が見てしまうことになり、遺言書作成することができなくなってしまう恐れがある。つまり、説得はあってもいいけど、その様子を見られることはダメやし、最後は本人の意思で「こうする」って言えんとアカンわけ。こういう修羅場を避けるためにも専門家に間に入って貰うのが良いと思う。