民泊は今(上)日数規定見直しへ 大人数の利用多く

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おはようございます。正規の民泊が増加しないという記事を引用しておきます。

(日経新聞2016年12月27日付けから引用)

住宅の空き部屋を有料で旅行者に貸し出す民泊。国家戦略特区の大阪では条件付きで認められているが、1万1千件以上あるとされる大阪市内で実際に許可を得た物件は1%に満たない。ルールの整備が遅れるなか、需要が急拡大し、現状はインバウンド(訪日外国人)の2割弱が利用している。「正規」の民泊がなぜ増えないのか。利用実態などから探った。

(中略)

記者はエアビーで予約するため顔写真や個人情報を登録。その後、貸し手から住所、家電の使い方などを説明した文書がメールで届いた。

チェックインは午後4時から午前2時まで。記者は4時半に着いた。指示に従いダイヤル式の郵便ポストを開け、鍵を取り出す。数字のボタンを押すとオートロックの扉が開いた。部屋には幅1.5メートル、縦2メートルのベッドが3台とテレビなど家電も備わっている。Wi-Fiもつながっていた。

外出して戻ると入り口付近をうろつく男性がいた。声を掛けると上海から来た賈敬濤さん(30)で同じマンションの部屋に宿泊する予定だという。だが予約券にマンション名が記されておらず、貸し手と連絡が取れずに困っていた。民泊運用代行会社のグラップ(大阪市)によると「民泊の二大トラブルは清掃とチェックイン」という。緊急連絡先に電話してポストの番号を聞き、鍵を取り出してあげた。

賈さんは両親、娘、姉夫婦の計6人で記者と同じ広さの部屋に泊まる。民泊の利用は初めてといい、料金は1人当たり3千円程度。「ちょっと狭いけれどネットも使えて部屋もきれい」という。

アジアからの旅行客は大人数の家族連れやグループが多い。複数の部屋を取らなければならないホテルよりも割安な民泊に流れているようだ。民泊データ分析のはりうす(東京・渋谷)によると大阪市内の民泊の約6割が定員4人以上という。

記者が泊まった部屋は大阪市から民泊運営の許可を得ていない物件だった。市では滞在が6泊7日以上などの条件を設けているが、訪日客のニーズとは合っていないようだ。賈さん一家は大阪、京都、名古屋を7泊8日で巡る計画。大阪観光局の調査でも大阪の平均滞在日数は3.9日だ。

周辺住民との調整という条件も事業者に申請をためらわせる。中央区のある飲食店店主は「この辺りのマンションは外国人の民泊利用が多く、騒音などのトラブルが多い」と話す。「規制は必要だと思うが、条件とする住民理解を得ることは不可能」(ある仲介事業者)との声もある。無許可営業の民泊は旅館業法違反として刑罰の対象になる恐れがある。

2020年の東京五輪に向けて訪日客はさらに増える見込み。既に不足状態のホテルや旅館だけで受け入れるのは困難だ。そうした中、大阪府・市は1月から滞在日数の条件を2泊以上とするなど実態に合わせようとしている。健全な民泊市場を育成するには行政、事業者、利用者、周辺住民それぞれが納得できるルール作りが急務だ。

(引用ここまで)

つまり、宿泊日数と近隣住民の理解が実態と合わないことが大きな理由ですね。宿泊日数の短縮はいいとしても住民理解はやはり必要だと思います。当事務所の近辺(新大久保駅の近くではあるが、住宅街の路地少し入ったところ)でも旅行者がスーツケースをがらがらと引きながら歩いているのをよく見かけます。家族連れなど通常の旅行者だと分かればいいのですが、最近は家族連れのテロリストもいることだし、少し怖い印象を受けることも事実です。またそこまでいかなくても深夜早朝に民泊の前でたむろし、タバコを吸っている(新宿区全域は路上禁煙です)のを見ると、マナーを守れない旅行者に対してどうしても印象が悪くなることは否めません。

新大久保近くで、大久保通りに面したところに少し大きな規模のビルが建設中です。工事の内容を確認すると簡易宿所となっているので、こういった方向に流れるのかもしれません。